【 販売の極意 】 ~心理カウンセリング技法を大衆のために~ [上巻] <part3/3>

ずいぶん昔に書いて電子書籍として販売していた内容をnoteにもアップしてみました。まだ「メンタルボディケア Hashimoto.biz」と名乗る前ですね♪

文章は若いなりなので、お手柔らかにお願いします(笑)



Ⅲ 売るためには「準備」が主役!


準備が全てです!


実践編ではいくつかの例を挙げてみました。ですが、冒頭に書いたとおり、このマニュアルは「スキル本」ではありません。「こういうときは、こうする」というマニュアルは一見わかりやすいのですが、「こういうとき」というケースにしか力を発揮しないことが多いように思います。

ですので、それを避けるために実践編ではあまりスキル的な部分は紹介しませんでした。このマニュアルの一番核になるのはこの章「準備編」です。実践的なスキルを身につけて、それを実際に実践で使おうとすると、多様なお客様の要望に応えきれません。

お客様の要望は本当にオリジナリティがあり、ひとつひとつのご要望で同じものはあるにせよ、全く同じ組み合わせでご要望をされる方はいないと言っても過言ではないくらいです。ですから「こういうケースではこう」と覚えても、役に立ちにくのです。

大事なのは「応用力」です。ですから、「基本」や「考え方」といった根本の部分に注力した方が、臨機応変に対応ができるのです。

お客様が10人10色ですから、販売員も10人10色でいいのです。

逆に言うならば、「接客販売に当たる上での基本」となるものはあったとしても、「どういう接客をしなければならない」という決まりはないわけです。10人10色のお客様に対して「お客様主導」で接客をした場合、同じ接客にはなるわけがないのです。

ここで紹介するのは「私がやっていた基本」であり「準備」ですが、これらの要素の組み合わせによって、その場限りの接客が日々生まれていきます。つまり、この基本と準備の中から自分に合ったものを見つけ、身につければ、またオリジナリティのある接客が組み上がるわけです。

これから紹介する中から「知らなかった」とか「やり方が違っていた」と気づくものがあれば、接客の質はかなり向上していくことでしょう。
準備に取り組むことが接客力を引き延ばします


準備は大きく分けて「製品にまつわるもの」と「サービスに関わるもの」の2つに分類することができます。「商品知識をつける」「商品を分析しておく」というのが「製品にまつわるもの」、「売り場をつくる」「POPの作り方」などはサービスに関わるものです。

いずれも「お客様主導」に立って考えていくことで、おのずと接客に活きていきます。


当然接客しているときが一番情報量豊富です。お客様にされた質問でわからないところを調べることが一番身になります。必要に迫られた情報ほどインパクトが強く、記憶に残りやすいのです。

準備も「お客様主導」で考えますから、一つ答えられなかった質問があったなら、後でそれを調べるのは習慣にしておいた方がいいでしょう。更にその周辺知識もついでに調べておけば、接客にかなりの厚みが出てきます。

ここからわかるように
「接客 = 準備」
なのです。

接客内の「話の展開の仕方」や「態度の良さ」「説明のわかりやすさ」も当然接客にとって大事な要素ですが、それもこれも準備なしには厚みのない「薄っぺら」の接客になってしまいます。

しかし、しっかりとした準備をし、即答で答えられる範囲が広ければ広いだけ安心してご案内できますし、いいわけをする必要もありませんし、ごまかす必要もありません。後ろめたいことがなくなり、自信を持った接客ができるわけです。


「準備」が一番大事だということがわかりますね。

商品分析の仕方


商品の能力(スペック)は、比較的取りかかりやすい情報ですよね。どんな製品を扱うにしろ、扱う製品の能力は必ず捉えるポイントです。これを「お客様主導」の情報にしておくことが重要です。どのように情報を加工すれば「お客様主導」になるのでしょうか。

スペックを正確に覚えるのもいいでしょう。覚えるのは自由です。ですが、接客にはそこまで活きてきません。パンフレットやカタログがあれば事足りることです。ないならば、メモやPOPの形にして設置しておけば問題ないでしょう。

あまり活きてこない理由は他にもあります。スペックはだいたい数字で表わされるのがほとんどですが、その実数をご案内に用いても、お客様からするとちんぷんかんぷんなときが多いのです。

実数を出しながら説明するのは一見説得力があるように見えます。そのご案内に説得力を感じるお客様もいらっしゃるでしょう。また、逆に実数を出すことを要求するお客様もいらっしゃいます。

しかし、「実数を出す」という接客から何がわかるでしょうか?

もし、接客において「実数を出して」ご案内することが多いならば、そこには販売員が持っているクセの中の一つを見ることができます。

要は「お客様が知らない情報を提示」し、「お客様よりも知っている」または、お客様に「この販売員はすごいと思わせる」ことで、「お客様よりも優位に立ち」、ご案内を有利に進めたいという願望が無意識に働いていることがわかります。

つまり、その販売員は「不安」または「怖い」んですね。

お客様に質問されたことがわからなかった場合、「お客様にバカにした目で見られるのではないか?」とか「正確にご案内しなければ買ってもらえない」というような価値観が無意識にあるわけです。

または、実際にそういった経験をして、傷つき、トラウマになっている可能性もあります。

しかし、実際にはそんなところにこだわるお客様は少数派なんです。

「いや!そういうお客様はたくさんいらっしゃいます!だいたいの接客がそういう話になります!」

などと思った方もいらっしゃるかもしれません。特に精密機器を扱った場合、「その数値」でしか商品判断ができないならば、そういったケースは当然のことでしょう。しかし、もし取り扱っている商品がそうでなかったならば、大概が「販売員がそういった状態に誘い込んでいる」ケースがほとんどなのです。

自分自身では無意識にやっていますので、なかなか気づけないでしょう。

このような実数が必ずしも必要でないはずなのに、実数が必要になってきてしまうように「販売員が誘っているパターン」は最低でも2つは考えられます。

「販売員が先に実数を使ったご案内をしている」
「接客にあまりにも数字や尺度がなく、お客様が不安になっている」

思い当たる節があるでしょうか?もちろんパターンはこれだけではありません。


ここで重要なことは「数字を使った接客」が「お客様主導」になっているかどうかを「検討する」ということが大事だということです。

商品分析は「絶対評価」と「相対評価」と「尺度」


製品のスペックを覚えておくことは当然重要な点です。ですが、すべての製品のスペックを正確に「記憶」しておくのは骨の折れることです。「覚える」と「記憶する」は別物です。

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