日常とドレスの狭間で足元を飾る。
私の足元は、365日のうち、おそらく300日はformeだ。
5年前に初めて手にしたアンクルブーツから始まり、27歳の誕生日に新調したストレートチップ、そしてローファー、ジョッパーズ、ストラップ型、チェルシー。
雨と雪以外の日であれば、春夏秋冬どの季節でも服装とシーンに応じて履き替え、足元も含めてスタイルを楽しんでいる。
仕事上、普段の服装が自由な分こういった考えで楽しめているのかもしれないが、休日も同じように変わらないテンションで履いて過ごしている事を踏まえると多分違うのだろう。
道具的な意味合い以上に、足元に革靴がある事で纏まる全体のバランス感が好きなんだと思う。
特に並びとなるボトムスとの関係性は凄く大切にするし、決して何でも良いわけでは無い。ただ、その中でハマる瞬間が見えた時は心から気分が上がる。
そんな今となっては欠かす事の出来ない存在にあるformeは、ある意味で特異的なブランドかもしれない。
デザイナー小島氏は、デザイナーであり木型のパターンも設計する事が出来る。例えばストレートチップとローファーが異なる木型で構成させているように、日本人の足に合った形となる事を根底に置きながら、よりデザインが美しく見えるような意図も込めて木型を設計している。
そして熟練した技術を持つ浅草の職人と密にコミュニケーションをとり、クラシックへの敬意やクオリティーの追求に重きを置きながら、現代の空気感も捉えて靴作りを続けている。
私が愛用している靴達も異なる3つの木型が使われているが、フィッティングは驚く程にどれも安定していて、展示会巡りで一日中都内を移動していても本当に疲れない。
そういった確かな安心感も含めて、formeに委ねられる信頼は計り知れず、気付けば1足、2足と増えてしまう。
そんなformeが今季、新たな木型とモデルを製作していた。
新しいNo.14木型を使用した内羽根ストレートチップ "Long Vamp Balmoral"は、細身のスーツにだけ合うドレスシューズではなく、あくまでも日常的な服装に合わせやすいバランスで内羽根のモデルを追求し辿り着いた新型。
鋭いソールのアウトラインから分かる通り、他の木型よりも土踏まずから足幅に掛けてシェイプを効かせる事で古い英国靴に見られるようなスタイリッシュさを纏わせつつも、木型の爪先の長さは通常よりも2~3mm抑え、適度にワイズを持たせる事で過度にシャープとならない絶妙なフォルムを形成している。
そして幾つか素材のパターンを選べる中、nariwaiでは肌目の綺麗なカーフレザーと表情の良いカンガルーレザーのリバースから成る組み合わせを選択した。
誕生意図の通り、デニムやチノなどのカジュアルな装いにも外れる事なく上手く溶け込みながら、逆にドレスに対しては切り替えのコントラストが効いて若干のカジュアルダウンに繋がる。
日常と言えど当然ながらドレス的ニュアンスを好む方もいる事を考慮すると、そういった意味ではより様々なテイストに合わせて足元を飾ってくれる筈。
そして異なる革質は勿論、エイジングも異なる。
履く度に皺を刻んでいくカーフに、独特の風合いを保ちながら徐々に艶が生まれていくリバース。
この1足は、日常とドレスの狭間を飾りながら、共に歩んだ分だけ目に見える形で魅力を帯びていく。
新しい季節を一緒に迎えてみてはいかがだろうか。
フィッティングに関して言えば、普段26.5相当のスニーカーを穿く私(足長25.5cm)でsize5が適正となります。基本的には実寸の足長ベースで判断する事となりますが、足幅や甲の高さで多少異なる場合もございます。この点の細かな不安点などに関してはお問い合わせいただきながらご相談いただければ幸いです。
こちらは店頭にて販売を開始させて頂き、オンラインストアの掲載は3月16日(土)18時を予定としております。店頭にて完売の場合は掲載がございませんので、遠方より気になる方がいらっしゃいましたら私までご連絡ください。先着にてご対応させて頂きます。
筆者
nariwai store manager
橋場 祐人
(通称がまお)
〒980-0014
宮城県仙台市青葉区本町2-6-23
ビブレスタオフィスビル2F
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nfo@nariwai-online.com
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