夏終わりに着る、バスク達
今年もそうですが、ここ数年の春夏シーズンはオンオフ問わずで頻繁にバスクシャツを着ている事に気が気が付きました。
外と中の温度差に順応しやすいし何よりも着ていてストレスを感じないからなんだけど、でもこれは単なるロングスリーブでは叶わない。
開放的な首元の爽快さ、リブの締め付けがない裾と袖から入り抜ける風の心地良さ、そしてストレスの無い余白ある生地量。
こういった " バスクシャツの特異性 " にどっぷり気持ちが浸かってるからつい手を伸ばしたくなるんだろうなと思います。
そして欲を言えば、夏が終わってもこの特異性に頼り続けたい。
秋までの妙な気温感にもフィットするだろうし、出番の増えるジャケットやウール系のスラックスあたりの所謂渋系を良い塩梅で軽く見せて別の切り口から楽しめそうな気がする。
何よりも、Tシャツとニットの繋ぎとして優秀である事は春にもう実感しているから。
でも春よりも少しだけ冷たさを感じ始める晩夏から秋頃をメインに着る訳だから、多少は地厚が良い。
もう言えば言うだけ非理想的な物に聞こえて仕方が無いんですが、私が丁度求めていた要素をしっかりと埋めている、むしろ惹かれる要素を更に付加している「それら」がOUTILの展示会にありました。
最高なバスクシャツ、いやバスクニット達が。
今季揃えた2型4素材のバスクは、着方によって大きく2つに分かれます。
トップスの主としてざっくり1枚で着て頂きやすいタイプと、メインとインナーの割合が半々くらいで着れるタイプ。
それぞれ順を追ってご紹介を進めていきましょう。
主体的バスク
1900初頭に生産されていた、もはやアンティークの域に属するフランス海軍のカットソーを参考にデザイン。
縦糸にコットン、緯糸にノルマンディー産のリネン糸を掛け合わせながら、少し厚手のサーマルに近い生地感で製作したニットバスク。
特徴的なブルーの柄は、細かな染料パウダーを手作業でダマ状にまとめてから繊維に浸透させ自然な掠れ具合を表現するスペック糸を採用し、ジャガード編みで仕上げた傑作。
染色に関しては全て手作業で行われ、職人の技無くしては生み出すことはできない独特な色のグラデーションが大きな魅力です。
こちらは少し年代を経た20年代頃に見られていたフランス軍の編み地を目指し、パーツごとにミラノリブ組織で編み立てたニットソー。
先程のモデルよりも生地は張りがあり、一層ニット面。
糸は全て3本の糸を撚り合わせる三子糸をオリジナルで作成し、驚くべき事にボーダーのネイビー部分はロープ染のインディゴ糸。
着用と洗いを繰り返してもへこたれない「生地の強さ」と、その過程でデニムのように藍色が変化していく「経過の楽しさ」が両立したOUTIL渾身の生地です。
両者ともにサイズスペックの緩さと、カットソー以上に厚みのある生地が特徴である分、着方としてはスウェット感覚の1枚でざっくりと着て頂きたい。
2. 主体、インナーバスク
1880~1930年代初頭までフランス海軍にて長きに渡り愛用されていたボーダーカットソーのうち、稀にブルーのピッチ部分がインディゴ糸の個体があり、デザイナー宇多氏が所有するコレクションから贅沢にも生地を解析し再現。
上記のニットソー同様に、インディゴの色落ちを味わえる1枚です。
ただ生地感は写真越しでも推測出来るように大きく異なり、前者のIndigo/Whiteは少し薄手でドライタッチな肉感。
後者のWhite/Indigoはタオル地に近い柔らかい質感。
どちらも生地量としては十分に設けられていますが、ドレープが効いてくるのでインナーやボトムスにインするような着方も何ら問題のないバランスのニットソーです。
個人的にはインナーだけでしか着る想像が浮かばない幅感の狭いスタンダードシルエットは全く着る気になれないので、改めて生地量の余白は大きな判断ポイントなのかもしれませんね。(私はですが、、)
このあたりは、春夏で着るメイントップスとしてのバスクとは少しニュアンが変わり着方の幅が一気に広がるので、結構重宝すると思いますよ。
WEB release
8月29日(火) 18:00頃
※ 店頭にて完売の場合は掲載はございませんので
予めご了承ください。
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