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帰ってきたギルドハウス


ブログ第二十三回

群馬の最果てまで行ったボクは色々と考えた末に十日町のギルドハウスに戻ることにしました。

以前に出会った工務店の社長さんも働かせてくれるとの話もあったし、ギルドのオーナーもいつでも帰っておいでと言ってくれていたので連絡をとり、また十日町を目指すことにしました。

地図上を見ると、峠を越えれば新潟県まですぐに入れるのを確認したのですが、道を辿ってみると繋がってない。

そう峠を越える道はないのです。水上からだと関越自動車道があり、簡単に抜けることが出来るのですが、なんせ働いてないもので、少しでもお金を浮かせたい。

東京方面に車を走らせ、一時間程戻り、Uの字に新潟に入るルートを取りました。

途中で越後湯沢を通ります。

学生の頃以来、スキーなんてしていないなぁなんて思ったり、夏のスキー場にある宿はどうしてるんだろ?とどうでも良いことを考えながら景色をキョロキョロ眺めていました。

やはり日本有数のウィンタースポーツを行う場所だけに建物や山のスケールのひとつ一つがとても大きいのです。思わず見てしまいます。

温泉でも入ろうかなと思うも結局、六日町(十日町の隣町)まで行ってしまい、そこでひとっ風呂。

夕方にはギルドハウスに着き、住人の男の子が「あっ!はっしーさん帰ってきたんですね。お帰りなさい」と笑顔で迎えてくれました。

多分、ここにまた戻ってくるのにだいたい10日程だったろうか、長かったような短かったような、、

みんなで夕飯を食べるときにオーナーが「今日は発表があります!はっしーがギルドハウスの住人になることになりました!!」と話をすると住人たちは「わーい」と手をあげて喜んでくれました。

旅が始まってから、行ける場所が急にダメになったり、居づらくなって出ることになったり、自分の都合だけで連絡してこないで欲しいなんて言われたこともありました。

まぁ仕方ないよね、なんて思いながらも、ちょっと苦しいなって思うこともありました。だから、こんなにも喜んでくれるものかと妙に嬉しい気持ちになりました。

入居に対して特に契約書と言うものはなく、口頭での説明。決まりはほぼなく自由。どんな生活をしたいかによって、部屋の種類や家賃が変動します。個室もあれば、簡易的に布のようなもので壁代わりにして仕切ったような部屋もあります。

DIYも基本自由で前に住んでた住人で部屋をつくってしまった人もいます。

ちなみにボクは二階にある簡易式の部屋。ゲストハウスのドミトリー部屋を少し大きくしたイメージを持ってもらえたら分かりやすいでしょうか。

左隣はいま住んでる住人部屋。右隣の部屋には「出稼ぎにいっています」の張り紙が。そういう住人もいます。

あとそうです。面白いのがギルドハウスには人の流れが円滑になるような100の仕掛けがあるのだそうです。もし読んで下さっている方が行くことがあれば、それを見つけてみるのも面白いかもです。

お土産があったので、みんなに群馬名物の焼きまんじゅうと長野のリンゴジュースを差し出すと大喜び。その喜びようはさながら昭和三十年代の下町の子供の様。ここの住人たちは好奇心が大勢で感情表現がとても豊か。

仲良くやっていけるかな?そんなこと思いながら食べている様子を眺めていました。  

十日町での夏が始まる。

つづく。

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