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波の花 風吹く:紅玉いづき×上田聡子×編乃肌チャリティトークイベント:令和6年能登半島地震チャリティ同人誌ができるまで(2024年6月29日(土)、石川県立図書館)

日時:2024年6月29日(土)14:00~15:30頃
場所:石川県立図書館だんだん広場
出席者:紅玉いづき、上田聡子、編乃肌(作家)

令和6年能登半島地震被被災者への義援を目的に、石川県在住の3人の作家が「波の花 風吹く」というチャリティ同人誌を5月に発行しました。その発行を記念して、その内容と「できるまで」を紹介するトークイベントが石川県立図書館で行われたので参加してきました。

発行の中心となった紅玉さんからは、「堅苦しく考えるよりは、能登に思いをはせながら、楽しくおしゃべりしましょう」という言葉があり、同人誌の内容+事前質問への回答という形で約90分、充実したトークを楽しむことができました。私自身大きな災害の発生後、地元の作家たちが新たな創作活動のきっかけとして同人誌を作ったことに関心があり、参加してきました。イベントの後はサイン会。能登半島地震という大災害の後,地元在住の作家たちが「その気持ち」を作品として残すことは意義があると実感しました。以下はメモ・感想などです。

この本を作るきっかけ

能登半島地震に被災した上田さんが復興支援のため,noteで色々発信をしていた。上田さん一人だと大変だと思い,紅玉さんが編乃肌さんにも声を掛けて作ることに。何が起こったかの記録を残すことに意味があるのでは,と紅玉さんは語っていましたが「その通り」と思いました。

何を書いたか?

  • 上田さん:小説「キリコの灯かり,祭囃子の音」・・・輪島大祭をモチーフにした話。伝統文化を伝えていくには色々な努力が必要と上田さんは語っていました。

  • 編乃肌さん:小説「よさりの恋」・・・金沢の高校を舞台にした青春小説。他の2人とは違ったもの(「合間に食べる,おやつのような作品」と言われていました)にしたかった。

  • 紅玉さん:小説「波に花風吹け~浅野さんと犀川さん」・・・同人誌全体のタイトルに誓うタイトル。浅野川と犀川が能登半島にある町野川を訪れる話。紅玉さん的には「幻想小説」という位置づけ。町野川付近には紅玉さんの親戚もいるとのこと。3月に能登に行って,「今書かねば」という気持ちで書いた作品。

波津彬子さんに表紙を依頼

  • 石川近代文学館の方を通じて,波津先生に依頼。アナログで描かれたので大変だったが,紅玉さんの作品に通じる白拍子を描いたデザインで,全体が引き締まった#とても美しい絵なので,そのうち原画展があれば観てみたいものです。

  • 印刷は美しいマット印刷で知られている珠洲にあるスズトウシャドウ印刷に依頼。

最後に,上田さんが行っているクラウドファンディング紹介ページの紹介がありました。

紅玉さんが言われていたとおり,このリストを眺めているだけで,一種「読み物」的に楽しめると思いました。

その後は事前に集めてあった質問に答えたり,皆さんが持ち寄った記念の品を紹介するコーナー。特に編乃肌さんの「わくたまくん」への思いの強さが,ひしひしと伝わってきました。編乃肌さんは昨年12月にのとじま水族館に行ったそうですが,その時見たジンベイザメが能登半島地震で2頭とも死んでしまいました。この日は,ジンベイザメのぬいぐるみを持参されていましたが,その「思い出」は多くの人の記憶にはずっと残っているのではと思いました。

イベントの後は同人誌へのサイン会。良い記念になりました。実際に作者に会うと本を読みたくなるものなので,今回をきっかけに,今後も3人の活動を読者として応援していきたいと思います。

これは撮影用のコーナー。ジンベイザメをはじめ,3人が持参したグッズが並べてありました。
会場の「だんだん広場」の前には,絵本「あさいち」も展示してありました。




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