塞翁が馬、佳き道へ。4

いつも通りに無事にマンションの1階に到着…デイサービスの送迎車を待つ。

早く上司に連絡をしないと 9時から私が行くはずだった利用者さんのお宅に代わりに誰が入れるか決まらない。

何度も言うが、もちろんこれは【母の搬送先がまだ決まっていなかった・意識も有り命に別状は無い】からのことで

その逆であれば、こんなことをしている場合ではないのだ。事情を話し、早急にその場を去れば良い。

ここまで来ると母の事を言ってしまうと逆に、ふたりに気を遣わせて落ち着かない空間になってしまう。

しかし神様はちゃんといるのだ…普段の土曜よりも3分ほど早く、デイサービスの送迎車が目の前に到着した。

デイサービススタッフといつもの軽い会話をして、賑やかに出発。娘さんに挨拶をして誰もいなくなったところで、上司に電話連絡をした。

「相武台の仕事いま終わりました。その前に実は母が交通事故に遭い、命に別状は無く搬送先が決まってなかったので通常通りここに入りましたが…9時からの訪問はどなたかに代わっていただけますか?」

後で知ったが、休みで本当は自分も実家に帰るために、支度をしていたところだったようだ。

もちろんその時に自分がこれから出掛けるところだった…などとは言わなかったが、では私が行くから!と代わってくれた。

上司も 私の母がどんな状態なのかわからないから、どう声を掛けて良いのかわからなかったのだろう。

普段はハキハキ話すその上司も、ぎこちなく震えた声で

「えっと…そこからの帰り道、大通り危ないからね…慌てず気を付けて…お母さん、お大事にしてください…」

と、私に気を遣ってくれた。


続く。。



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