塞翁が馬、佳き道へ。1

3月27日土曜日…朝8時7分。
6階から下に行くために、エレベーターを待っていた。

今日は休日出勤が2件。
8時25分からデイサービスへの送り出し介助、9時から排泄介助。

1件目は8時40分には終わるから、9時までの20分で?相武台から東林間まで行くのか…
電動自転車なら飛ばせばなんとかギリギリ間に合う…にしても、タイトなスケジュールにされたなぁ。

トイレ行く暇も無いな~と思いながら、苦笑いをしてしまった。

2件目は9時半に終わるから家に帰って洗濯機を回してからカーブスにでも行くかな…

今一度 社用スマホでアプリの勤務スケジュールを照らし合わせながら確認した。

社用スマホは仕事の日は必ず、落とさぬように紐を着けて お尻のポケットに入れている。

勤務中は司令塔からの電話にはいつでも出られるよう、鞄の中にはしまいっぱなしにはしない。
単独で行動する訪問介護ヘルパーにとって、これは大切な連絡ツールだ。

しかし逆に、自分のスマホは必ず鞄に入れておく。たまに着信受信を確認するが、仕事中は特にマメには見ることは無い。

しかし…この日は…これから起きる出来事をすぐに感知できるよう、何か不思議な力が働いたのであろうか。

この行動は偶然だったにしても、本当に助かった。

いつもは後ろにかつぐリュックの奥にしまう自分のスマホを、なぜかその日は、家を出る直前に、目に止まったサコッシュ (ポシェットのような小さな肩掛け袋) に入れて、首に掛けて自宅を出たのだ。

天気も良いし、さっさと休日出勤を終わらせて…カーブスで筋トレして、終わったらひとりで楽しく出掛けようと計画を立てていると、サコッシュの中のスマホの着信音が鳴った。

え?この着信メロディはお母さん??
何でこんな時間に…仕事は8時からでしょ?仕事中になんで?!と思いながら電話に出た。

話し始めたのはなぜか、若い男性の声であった。

「長谷川由利子さんですか?こちらは成城救急隊です。お母様が通勤途中に交通事故に遭われました…」

休日出勤とはいえ、その後の平和な1日のスケジュールを立てたばかりなのに、全てが狂ってしまった。

続く。。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?