塞翁が馬、佳き道へ。7

二子玉川の駅に着き、タクシー乗り場を探した。意外にも駅のロータリー奥の方に有り、わかりにくい。

こんな煌びやかな駅の隅の方にタクシー乗り場を追いやるなんて、歩く事が辛い人のことを考えていないのだろうかと、今は母の方が心配なのに敢えて他人を心配して、自分の心を癒した。

昔の二子玉川駅の、庶民的な感じの方が良かったと、たまにではあるが 来る度に残念な気持ちになる。

「瀬田の日産玉川病院にお願いします、ちょーっと急いで駆け付けなくてはならないので、安全運転ながらも…道など近道で宜しくお願いします!」

言われなくてもわかっていることを敢えて少しおどけて言ってみる…試すようで申し訳ないが、運転手さんもサービス業…

ここで私の気持ちを汲んで気持ち良く対応してくだされば、私はいつもこういう時はお釣りを多めに渡して感謝の気持ちを伝えることにしている。

父親が病院に運ばれたり、亡くなった時にも同じように【話を聞いてくれたり寄り添ってくれる運転手さん】には同様のことをしてきた。

運転手さんに限らず…気持ちの良い対応で得をする…それがサービス業の仕組みだと私も肝に命じて仕事をしているからだ。

コロナ渦の中でタクシーのような密室であまりたくさんのことを話すのも憚られるのでそれは気を付けていたとしても、スマートに色々と道を考えて気分が良かったので、母の無事を祈る意味も込めて

クレジットカード支払いだとジャストで払うことになってしまうので、現金で数百円多めにお釣りが出るようにして、お釣りは要りませんと伝えてタクシーを出た。

続く。。


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