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自分に値段をつけることが怖い方へ
「いいですよ、これくらい。お金なんていらないですよ。」
いいことをしている気分で言っていたわけではなくて、自分に値段をつけると、いつもタダになってしまうのだ。
タダだと告げると
「あ、そうなの?うれしいなあ〜」
人はいつも喜んでくれた。
いつのまにか、
頼まれごとで予定がいっぱいに。
人に求められる悦びとはこういうものか、と幸せだった。
怒られるまでは。
「ためになるので
だれもいない深夜の赤信号を渡る
誰もいない深夜の赤信号。
自分の呼吸だけが響くほどに、人の気配がない。
この、試されている感じがたまらなく好きだ。
誰も見ていないのに、
車も人も通らないのに、
立ち止まって赤信号を待ってみる。
おれは待っているんだぞ。
と、誰かに見せつけるように赤を見つめながらピタッと止まる。
おれは待つ余裕があるんだぞ
と、自分に言い聞かせながらスマホを触る。
誰も見ていないのに、誰かを意識して