沼田晶弘 「やる気」を引き出す黄金ルール 動く人を育てる35の戦略(2016) 、子どもが伸びる「声かけ」の正体(2016) 、ぬまっちのクラスが「世界一」の理由(2016) 、「変」なクラスが世界を変える! ぬまっち先生と6年1組の挑戦(2017)

最近、僕がほとんど信者と化してるくらい心酔している人。
世田谷区で小学校の先生をしている「ぬまっち」こと沼田晶弘先生。ネットニュースかなんかで興味を持ち、試しに著作を読んでみたところ深く感銘を受け、貪るように今まで出版された本を全て読みました。


どれも面白いけど、1冊選べと言われたら、断然『「変」なクラス~』です。途中から感極まって涙がポロポロ流れてきました。全然そういう感動本とかの作りじゃないからこそ余計に。久しぶりにその夜、小学校時代の夢を見たりして。


何より共感したのは、「勉強は、いくらでも楽しくできる」ってことを伝えているところ。むしろ、それだけのために毎日全力で先生をやっていらっしゃる(笑)。これ、大人にとっても「勉強」を「仕事」に変換すれば、いくらでも当てはまる話で、つまるところ誰にでも役に立つ話なんです。


勉強は楽しくできる。

逆に言えば、ただ受動的に、いやいや勉強するだけなら、それはそもそもつまんないものなんだ、やる気出るわけないんだ、ってのが大前提で、沼田さんも自分の小学生の頃そうだったと。だから、とにかく楽しく、アガるように授業をセッティングする。「やる気を出せ!」って命令するんじゃなくて、自然とやる気が出るような仕組みを作る。その具体例はどれもが実に面白くて、取り上げたらキリないくらい。「学校なんだから」「義務教育なんだから」って決まり文句に逃げないとこ、最高です。


もう一つは、目標を立てることの意味を教わったこと。楽しむためには、期間限定のゴールを設けて、それに対する達成または失敗というカタルシス(「やったー!」とか「チクショー!」とかの強烈なエモ感)を経験させ、成功した場合はちゃんとそれに見合う報酬を得てもらう。そのゲーミフィケーション(日常生活のゲーム化)の結果、自己効力感・肯定感を味わって、ちゃんと大人へと成長する、もしくは大人になった時に挫折してもそこから立ち直れるようになるんだと。なるほどなあ。


ずっと、ずーっとわからなかったんです。

なんで毎月、会社から売上目標って言われんのかなぁと。達成したから、達成しなかったからって、なんなんだよと。もちろん、あまりに売上が悪ければテナントとして施設さんから追い出されて職場がなくなるというリスクがあるのは、頭ではわかる。けど、そうではなく、この数字自体になんの意味があるのか、それはわからないままだった。今なら少し、わかる。


確かに数字自体に意味はない。ただ、期間限定のわかりやすい目標の一つとして、仕事を楽しくするツールとして、使えるものになり得るはずだ。たとえば、ここをクリアしたら店長手当でみんなに美味しいプリンを買ってあげられるなとか(笑)。まあその程度のことは今までもやってきてたことですが、よりその意味が明確になった気がします。プリンよりももっとみんながワクワクする報酬って何だろう、みんなに訊いてみよう、という発想を得ることもできたし。


僕が塾講師を辞めた理由の一つは「なんで勉強しなくちゃいけないの?」という、あの教育界最大の疑問にいつまでも上手く答えられなかったからですが、ぬまっちを読んだ今なら、こう答える。

「ワクワクするものを見つけるための、とりあえずのキッカケにはなるかもよ?」


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