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「他人の肖像 Portrait of Others #5 Paphiopedilum bellatulum」240x190mm, oil on canvas, 2020

本シリーズ、今のところ最後の作品は、再び「パフィオペディラム」です。
ベラチュラムという、斑模様が美しい品種です。美しいと思いつつ、ちょっとゾッとする模様でもあります。(制作中は、ゆかりとかシソとか呼んでいました…)

リップ(唇弁)のところがすべすべしている感じが出て、私はこのシリーズの中で今一番気に入っています。

花の模様についても、ランは不思議な柄が多いです。
本来の目的は、虫に花粉を運んでもらうためであり、人間を楽しませるような目的ではありません。それでも、人は虫と同じようにその模様に惹かれてしまいます。チューリップ・バブルの縞模様と同じように。

こうやって植物が人間に好まれることは、植物のプログラム上必要ではないはずなのに、人間は全世界に植物を移動させ栽培しています。
植物にとっての目的を「繁殖」ということに据えて考えてみると、鳥に種を運んでもらうくらいでは比べ物にならないぐらい遠い所にまで、彼らはたどり着くようになったのではないでしょうか。
植物たちからすれば「してやったり」なのかもしれないな、なんて思いながら、私は今日もアフリカや中南米などなどからやってきた植物に水をやっています。

このシリーズについて記しているうちに、少しずつ新しいやりたいことが見えて来ました。それはまだ言葉になる手前なので載せることができませんが、次の展開につながる予感がしています。

他人_ゆかり_01

他人_ゆかり_02

他人_ゆかり_03

他人_ゆかり_04

他人の肖像5

明日の投稿で、個展「あなたの名前を教えてほしい」作品紹介を最後といたします。

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