『Divee!』について①
新年明けましておめでとうございます。
正月早々北陸で大きな地震があったり、羽田で飛行機の事故があったりと、重苦しいムードで明けてしまいました。
刈谷自身、1995年の阪神大震災の際は、神戸市須磨区に住んでいまして、直接被災した経験があります。ここはその記憶をつづる場ではないので控えますが、現地は本当に大変だと思います。被災された皆様の日常が、1日でも早く回復することを願っております。
そうした中ではありますが、わたしにできることは良いゲームを開発して、皆様に楽しんでいただくことしかありません。
皆様に楽しんでいただき、お金ができたら、北陸旅行など企てたいと思います。
そういうわけで、新年1回目の更新ですので、弊社ハーベストバレーのロンチタイトルである『Divee! ダイビィ』を紹介していけたらと思います。
『Divee! ダイビィ』は、非常に簡単なダイスゲームです。
パーティゲームに近いと言ってもかまいません。
みなさんは『ヤッツィー(Yahtzee)』というゲームをご存じでしょうか? 欧米、特に北米では伝統的で非常にメジャーなゲームです。
簡単に言ってしまうと、『Divee! ダイビィ』は『ヤッツィー』をより現代的に、遊びやすくしたゲームです。
ゲーム内容を掘り下げる前に、わたしがどうして『Divee! ダイビィ』を商品化しようと思ったかをお話しましょう。
去年(2023年)の2~3月、わたしは「N高の生徒さんたちにボードゲームをレクチャーする」課外授業(というか、放課後のクラブ活動的な雰囲気)に参加させていただいていました。
その場で多くの学生さんに、さまざまなゲームを遊んでいただいたのですが、そこで感じたのは、やはり普段ゲームを遊んでいない方々は、わたしのようなゲーマーが想像する以上に「ゲームを楽しむ力」が備わっていないということでした。
例えば『6ニムト』などは、誰でも遊べる初心者用のゲームだと思っていたのですが、一部の方には何が面白いのか理解できていないように受け取れました。
カードを出せば場は動くので、当然ゲームには参加できているのですが、「自分の手札がこうで、場がこうだから、このへんの数字を出すと安心で、このへんの数字を出すと危険だ」というあたりが、すんなり呑み込めていないのですね。
もちろんいくつかのゲームを遊んでいれば、そうした力は次第に備わっていくのだと思いますが、わたしなどは小学生のときからシミュレーションゲームを遊んで自作していたような人間なので、これはなかなかに衝撃的でした。いえ、ゲームマーケットの責任者などもやらせていただいていましたので、まったく想像がついてなかったわけではありませんが、それにしても『6ニムト』でもそうかと。
ちなみに、『ハゲタカの餌食』は本当の意味で誰でもすぐに遊べました。
そうした中、わたしにとっては少し意外なゲームが、誰でもすぐ遊べるゲームであることに気付きました。『ベガス』です。
賭けの要素があり、ダイスをどう振り分けるかといったあたり、割とゲーム的な要素があるのですが、みなさんすぐに理解して、非常に盛り上がります。
改めてダイスゲームは強いなと感じました。
「6出ろ6出ろ!」
(コロコロ)
「ああ~~~っ!」
という時間は、やはり非常に盛り上がります。原始的な喜びを満たしてくれると言いますか。
そのときわたしの中にひとつの疑問がわきました。
「日本で売れている、初心者でも楽しめるダイスゲームって、何があったっけ?」
というものです。
『ブラフ』? 非常に面白くてルールもシンプルですが、初心者向きかと言われると疑わしいでしょう。箱も大きくて、カジュアルユーザーがカバンに忍ばせるという使い方にも不向きです。
『ストライク』? これも簡単で楽しいゲームですが、やっぱり箱は少々大きめですし、遊べばすぐ分かるのですが、ゲームの概念を理解するのに多少時間が必要な気がします。
では欧米で売れている初心者も楽しめるダイスゲームは? すぐに頭に浮かんだのが『ヤッツィー』と『グリード』でした。
どちらも伝統的なゲームで、欧米では非常にメジャーです。ですが、日本ではほとんど遊んでいる人を見かけません。なぜでしょうか。
どちらもスコアシートとペンが必要なところが、いまいちカジュアルさに欠けていて支持されていないのかなと推測しました。
また『グリード』は日本でも比較的安価なものが手に入りやすい状況ですが、『ヤッツィー』は割と高額です。
そこで、『ヤッツィー』を遊びやすく改変すれば、ゲームをほとんど遊んだことがないような人にも楽しんでもらえる新しい商品になるのではないかと思いついたわけです。
ここで『ヤッツィー』を知らない方のために、簡単にルールを紹介しておきましょう。
簡単に言えば、「ダイスを使ったポーカー」です。
5つのダイスを振り、「5ダイス(ヤッツィー)」「4ダイス」「大きいストレート(5つのダイスが連番)」「小さいストレート(4つのダイスが連番)」「フルハウス」などの役を作って得点していきます。振り直しは一度の手番に2回まで。
なお、一度作った役は、もう使用できません。得点は「どの目で役を作ったか」で変わることもあるので、そうしたことを記録するために、スコアシートとペンが必要なわけです。
まずスコアシートとペンを使わないようにしたい。
そこで『Divee! ダイビィ』では、役をカードにすることにしました。一度得点にしたカードを裏に向ければ、同じ役を使えないことも視覚的に分かりやすくなります。
また『ヤッツィー』には13個の役があり、つまり全プレイヤーが13回ずつプレイを行うのですが、これは現代ではいかにも長すぎます。
6回もプレイすれば十分でしょう。『Divee! ダイビィ』では、役のカードを1人6枚ずつにしました。
ただ、このままだとあまりにも簡素すぎます。得点差もつかないことが多いでしょう。
実は『ヤッツィー』自体も突然生み出されたゲームというわけではなく、伝統的に遊ばれてきた「ダイスポーカー系」のゲームをまとめたものなんですね。
そうした複数の「ダイスポーカー系」のゲームの多くは、「1投目で役を成立させたらボーナス」というルールが存在します。
『Divee! ダイビィ』でもその手のルールを採用し、1投目で役を成立させたら、ボーナス得点がもらえることにしました。
もちろん、そこでスコアシートとペンを使っては台無しですので、得点チップを同梱します。
そのうえで、ゲームに変化を与える2種類の特殊効果タイルも付属させました。特殊効果と言っても、「もう一度(3度目)サイコロを振り直せる」というものと、「ダイスをひとつ裏返すことができる」というもので、難しいものではありません。
そういった思想のもと、『Divee! ダイビィ』は完成しました。
みなさんが、初めてゲームを遊ぶ方々に紹介するゲームのひとつになってくれればと願っています。
次回(1月24日更新予定)は、『Divee! ダイビィ』のビジュアルやタイトルの理由などをお話しできたらと思っています。
今回は文字ばかりになってしまいましたので、次回はビジュアル多めでいけたらいいなと思っています。
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