15周年物語 9

ハルです

これで、最終回にしましょう。そろそろ謝辞を書かねばなりません。悩むなあ、5分程度のものですが。

昨日は祝辞を話してくれる女性と打ち合わせをしてきました。今日は、司会の女性です。どちらもダダさんと私に近しい人ですから、どんな話が飛び出すか、楽しみですね。

祝辞を話してくれる人は、ダダさんが利用している事業所の所長さんです。昨日こんなことを聞かれました。「ダダさんが暴れて、とんでもなく大変だったじゃない。入院もしたし。でもそこから這い上がってきた(?)のは、今のように穏やかに戻れたのはなぜ?」

それは、「自分の対応が間違っていたということがわかったので、改めたからです」と言いました。

「だから、それができたのは、なぜ?」と聞かれて、「それは、私にもプライドがあったし(おめめどうを起業したあとだったし)、それから、ダダさんにもプライドがあるだろうから、私は彼のプライドを守りたかったんですヨ」と言いました。

私にとっての、障害支援のキーワードは「プライド」です。それを守ると、人は立ち直るんですよ。(これほんと!誰もそこまで考えないでしょうけど)

やっと本日発表しましたが、シンポジウムは、小川修史兵庫教育大学准教授の司会による、支援機器の事業所さん6名プラス中邑先生のパネルディスカッションです。濃いわ〜すごいですよ〜、それ、45分しかしないんです(汗)。

なので、いらっしゃる方は、こんなチャンスは滅多にないので、どんどん展示の時にブースで事業所さんに話しかけて、いっぱい吸収してくださいね。

私はシンポジウムにはでませんよ。オンリー謝辞だけです。

このところ毎日のように、準備をしながら、スタッフと話しをします。過去のことが多いです。

小川先生、おがっちさんは、和歌山大学の学生の時ダダさん(小6のときに)の、私が有田市に話に出かけた時、どうしてもダダさんを家に置いていけなくて、連れて行ったんですよね。そのときボランティアをして、あちこち連れていってくれたのが彼です。それでこの道に入られたんですよ。今は准教授です、偉くなられました。みんな、15年分年をとったなあと思います。

昔、TASをしていたと書きました。その時にやってきた親御さん、ほとんどのお子さんをお預かりしたのですが、三田に住んでいた人、但馬からきていた人、県内や大阪からきていた人、もう、ほとんど名簿にもいないんですよ。会社をしてから、蜘蛛の子を散らすようにどっかいっちゃった。もうほとんどが成人さんです。どうしていらっしゃるのかな?と思います。

一人だけ、一緒にキャンプとか来ていたお子さんの成人されたあとに、出会ったですよね。すると、スケジュールはされているのだけど、チラシの裏じゃないとダメなんだそうです。あちこちにこだわりがある。ああ、自分のスケジュールじゃないんだなあ。させられるスケジュールだから、「紙にこだわる」んです。この理由わかりますか?そうして、自分に意味を持たせるわけ。そのスケジュールの内容は、人のものだから。

で、そういうこだわりを、「自閉症だから」「知的に重いから」と言われて、おしまいなんだろうなと。ま、仕方がないけど、それが「ご縁」ではあるけど、「違うよ」って言いたくなりますよね。言いませんよ(ええ、求められていないので)。

それから、5周年くらいまでグッズを買ったり、話を聞きにきた人たちも、「もういいかな」という感じで、いなくなっていった人は多いです。でも、その頃までの人は、「私のしくじり」と「仲間はずれにしない」それから「予算軸」も聞いていない人が多いので、結構「鳴かず飛ばず」になっておられる方が多いんですよね。お子さんが、くすぶっているんです。

このまま順調かなと思って離れたのに、思春期、青年期で困って、ハルネット に戻ってくるっていうのも、そのパターンです。それでいいんですよ。困ったら戻ってくればいいんです。戻ってくるひとは、偉いんです!たいていいらっしゃらないんですよ。上記と同じ理由です、「うちの子は重いから」とか「やっぱり自閉症だから」ってね。

ハルネット を辞めても、メルマガをとってくれていたら、まだそこそこ情報は入るのですが、ブログ見てるだけでは、まず、ダメと思いますよ。飯ばっか見てもね(笑)

また、遠のくと、買うものが、巻カレだけとか、巻カレとみとおしメモくらいになっちゃうんです。それで、そこそこ過ごせるから。でもね、そういう買い方をする人は、「ああ、説明してないな」ってわかるんです。選ぶは、なんとかできても、「お話が見える化してない」んですよね。

説明いるでしょ。前情報いるでしょ。理由言うでしょ・・っていうのが、減っていくんです。不思議でしょ(なんでなのかな? それが、きっと「障害児者」にはさせなきゃなんだろうなと。つまり、スティグマです)

さすがに、15年もやってきたら、買われるグッズでどんな暮らし方、接し方をされているかは、わかります(だてに、15年毎日注文書を眺めているわけではないのですぞ。もちろん気にならない限りは、詮索はしませんヨ・笑)。

自閉症支援は、「みとおし・えらぶ・おはなし」の三つともがいるんです。どれが欠けていてもうまくいきません。それから、「杖の役割」(できることをしっかり支える。できないところ見てる限り、いつまでもやってろ!になります。終わりが来ない。すると、最終的に母子分離ができないままになります)そして「その年齢の対応をする」こと。全部揃って完成です。

だから、ずっとハルネット やメルマガで、途切れず続けてくれたご家族は、しんどいこともあるけど、そんなに困ってないんです。私の「しくじり」や「仲間はずれにしない」などちゃんと踏襲してくれるからです。

「信じ続ける」のって、大変なんだなと思います。この業界はいろんな流派があって「隣の芝生が青くみえる」からです。でも、私は、20年以上、この業界にいるけど、おめめどうより居心地の良いところを知りません。もちろん、私にとってはですけど ね(まず、子離れができないんだもの。療育とはそういうもの)

私も、お師匠さんのsyunさんも「アクが強い」でしょ。それから、どうしても「親や支援側のさせたい、治したい(良くしたい)気持ち」「もっともっとという気持ち」がなくならない人もいらっしゃるので。そういう方は、離れていかれます。まず、近寄ってこないか・・(笑)

そういうのにも慣れてきちゃったですね。「ま、頑張って!」って感じで、見送る。っていうか、年とりましたからね、私たちが。

だから、15年たって、「総入れ替えだね」と私たちは言っています。15周年にきてくださる人たち(応援くださる人たち)が今、おめめどうのお客様です。

さて、「これからアタシは、どうするんだ?」と考える時に、やっぱりダダさんのこともありますよね。どういう方法で家を出ることが可能のなのかなと思っています。精神的には分かれているけど、物理的にが難しい。田舎ですし。

GHかな、それとも、一人暮らしとショートを使う方法かなとか。さて、希望の30歳まで、残りは3年になってきましたよ。

資源が豊富な街に引っ越す?と可能かな。でも丹波篠山が好きなんですよね。やっぱりのんびりしているし、障害者がいても、そんなに怪訝な顔もしないですし(顔が知られているからね・笑)。そういうのんびりしたところに、私自身もダダさんもいたいなと思います。

おめめどうは求められることが半端なく増えてきたので、でかけなくても、講義ができるようにはしていきたいと思います。DVDをとるとか、チャットをするとかです。文章の方が好きだし、映像は売りたくないなと思っていても、時代は、映像の時代になってきていますもんね。

ただ、テレビやラジオというマスコミには、極力避けようとは思っています。不特定多数の人たちに評価されるのは、真っ平御免なので。昨日YAHOOニュースなったでしょう。すると、姪っ子から「すごいな」とか「有名人じゃん」のLINEがきました。MUUさんが珍しく、「いいね、しといた」とか言うんです。みるとコメントが入っていました。概ね評価的だったのでホッとしたけど、勝手に載せられて、ディスられたら、たまったもんじゃないですよ。

「知りたい人がお金を出して、得てくれる」最初に起業した時に「対価を払うことでお互いに真剣になれる」を忘れないようにしなくちゃ。だから、大変になりすぎたら「会員制」にしてもいいと思っています。すると、これまた「バトル」になりそうだけど(汗)

誰からに見てもらえるからって、ユーチューブにアップは、違うと思っています。最近の「あの子供の様子、載せましたの画像(大人になっていらっしゃる方のもありますよね)、ほら見て見て」はちょい閉口しています。 時代とはいえ、棲み分けと思っています。

それから、20周年には、広まっていたらいいなと思うことは、おめめどうグッズが、「日用生活用具の給付対象」になることです。「日用生活用具」とは障害がある人(子供たち)が、暮らしに必要なアイテムを、行政が9割負担してくれる制度です。知的障害なら、シャワートイレ、IHのクッキング機器、ファックスなどが、それにあたります。

これは、国が定めた制度ですが、市町村の裁量で、いろいろ決められる制度で、今、おめめどうグッズを日用生活用具の給付対象としての申請が通っているのが、倉敷市と春日井市の二つです。今度入った、春日井市の方は、ひとりのコアユーザーさんの親御さんが動いて申請が通って、今書類を送ったところです。どちらも、療育用具として認められたので。18歳未満ですが、今後お使いのお子さんが18歳を超えると、療育用具じゃなく、生活用具として認めてもらうべく動きますと言われていました。

倉敷市は、年に一回購入ができます。春日井市は三年間に決められた金額以内なら何回でも購入可能です。この額や回数は市町村が決めることであり、また、ご家族の収入なども考慮して適応されるそうなので、みんな一律ではないそうです。

関東では、東京の港区が「療育でのコミュニケーションアイテムの助成」それから、神奈川県の横浜市、相模原市が、「障害児の訓練器具の助成」をしています。そこで、スケジュールボードなどコミュニケーションアイテムを買うこともできるそうです。

だから、一度ご自分の暮らしておられる市町村の日用生活用具の給付制度を調べて、そこに「コミュニケーション」や「訓練」「療育」などの項目があると、「おめめどうの巻カレやコミュメモも入れてください。うちで使っているのです」とお願いすれば認められるかもしれません。これは、住民からの申し出がないと、進まないのです。

篠山市は2回にわたり、住民が申し出ましたが、申請は通っていません。諦めず、やっていきたいと思います(私は業者なので、それができないんですよね。なので、親御さんや支援者さんが動いてくれています)。

こうして、おめめどうグッズが、日用生活用具の給付対象に認められたら、一本3000円巻カレが、300円で買えます。すると、彼らが年金で生活を始めても、障害者本人が買えるようになるんですよ。私は、そうなってほしいと願っています。

私たちの子供達は、もうみな成人になって、目の前に30歳が迫っているんですよ。することは、彼らが自分の年金で、自分の暮らしを組み立てていくことができるように「応援すること」です。「日曜生活用具の給付対象への申請」は、それにふさわしい活動だと思っています。

そして、日本中の市町村で認められたら、おめめどうは安泰です。「日本中の道の駅のお茶は、味間のアグリヘルシーファームに発注する」というようなものですから(笑)

私のセミナーや相談業務がなくても、物品販売だけでも「おめめどう」はやっていけるはずですよ。

巻カレやコミュメモは、なくならないんです。皆さんも安心、私も安心。

でしょ(笑)

夢を見ることは自由です。だから、夢を見ようと思います。


じゃあ、15周年に来られる方は、ようこそ♪

そうでない方も、応援をよろしくお願いします。


そろそろ、緊張してました。いつものように、終わった後の祝賀会の手タレをイメージしなきゃ(笑)