表出がないスケジュールや構造化は、絵に描いた餅(2018年12月8日のメルマガ)

★こんにちは、ハルヤンネです★

昨日サーフィンしていたら「強度行動障害への支援には、表出のコミュニケーションの項目がない」と言うのを見つけました。で、資料を見てみると、ほんにないんです。環境を整えるが中心。スケジュールを伝えるみたいなことはあるんですね。スケジュールは、受容性、理解のコミュニケーションの部分です。

コミュニケーションには、「受容性(理解)のコミュニケーション」といって、本人がわかるように伝えるものと、本人がしたいことや気持ちを発信する「表出性のコミュニケーション」というのがあります。肝心なのは、その「表出」。つまり「いやだ」や「したい、ほしい」「こっちがいい」などです。

でも、その「いやだ」にしても「したい、ほしい」「こっちがいい」という本当の気持ちを出してもらうにしても、それが判断できる状況じゃないと出せません。その判断できるようにするのが「受容性のコミュニケーション」です。おめめどうではカレンダーやスケジュール、えらぶの選択肢、◯×やどうしてなどでのルール説明など、多種多様にお伝えしています。それが、周りに散りばめられると、本人に暮らしの仕組みが伝わっていきますから、発信が生まれてきます。

でも、その「表出」(発信)が国の決める「強度行動障害の支援項目にないんです」って。ある支援者さんがそこを指摘しても、「国の項目にないから」ってスルーだったそうです。いくら刺激の少ない環境を整えても、変化のないスケジュールにしても、わかりやすい場所の構造化をしても、それが本人がどう思っているのかがわかっていないと、絵に描いた餅じゃないですかね。

本人を抜いてするから、「再構造化」と呼ばれるものがずっと続くんです。私ね、あの「再構造化」いう言葉ってなんであるねんって思っていました。だって、本人に聞いてから構造化したらいいんやし、すると、よってこって「ない知恵絞って、憶測で環境を変えていく」いうことなくなりますやん。そんなんしても、また、本人がどう思うかわからんのやし。

強度行動障害の支援と国の関わるところでも、「表出の項目がない」のであれば、通常の支援でも、同じように「重きを置かれていない」のではないかなと想像できます。

私は、息子が小5のときに、それまで参考にしてきたTEACCHプログラムから離れました。そこには「選択活動」と「AAC(拡大代替コミュニケーション)」がなかったからです。いずれも、その表出につながるものです。本人がえらぶ、本人が発信する。それなしではダメだなとわかったので、おめめどうに向かっていきました。

あれから、15年経つんですが、やはり、ないんですよね。どの分野もですが、この国では「上の言うことを鵜呑みにしていてはあかんのやなあ」と思います。

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