「みんなと一緒」の教育の成果(2019年4月12日のメルマガ)

★こんにちは、ハルヤンネです!★

入社式のスーツがほぼ全員黒で、同じスタイルだったことがネットのニュースで話題になっていました。ある式の写真を見ると、見事に同じ風貌が並んでいてびっくり。ここまで「無個性」なのだと、これは「教育の成果」だなと感じました。「みんなと一緒」(外れることが怖い)が、ここまでくるんですね。

セミナーでの相談です。<17歳の男子。高機能のアスペルガーとADHD。周りと同じことをするのに必死です。目立つことが嫌い。頑張って周りに合わせています。学校に障害のことを話しお願いしても、手立てはほぼスルーです。家ではカレンダー、スケジュールをしても、見てくれません。困っていると思います。周囲を振り回すところもあります。でも、自分からは困っているとは言いません。このままほっておいていいのでしょうか?>

もう年齢が17歳と大きいので、本人のスタイルがある。それは、これまでの親御さんや教育の成果なんですよね。「みんなと同じ」を求めてきたからです。周りからそういう「圧」がないと、本人はそうならないんです。子供は最初は真っ白で生まれてくるので。みなさんと共有したいことは、あまり「みんなと一緒」を強調しないようにしてください。小さい頃からです。お遊戯が、遠足が「みんなと一緒にできたね」こういう大人の想いの重圧の積み重ねが「目立つことが嫌い」「同じじゃないとダメ」になっていきます。

でも、誰であれ一人ずつが、凸凹しているはずですし、発達障害であれば、その凸凹こそが「魅力」に変わっていくものなのです。

年齢が大きくなっているので、大人からの「こうしたらいい」の重圧をやめていくといいと思います。「手立て」はします。時間軸を支えるのは基本ですから、巻カレではなくても、手帳やカレンダーを本人が持つこと。また、本人が表出しやすいように、音声の言葉以外の方法に囲まれているようにすることです。ボードに付箋を貼るでもいいですし。筆談、メール、なんでもいいです。それを揃えて、あとは「発信」を待つようにしましょう。本人のことは、勝手に決めてつけてしまわないのように、選んでもらってください。

大ごとの発信からではなく、「お茶欲しい」とかそんな簡単なところから、発信があってからするようにしたらいい。口出しをしすぎて、言えないようになっていると思うので。

「困っていることを言いません」というのは、本人というより、大人との関係性の問題なんです。つまり「言いやすい関係ではない」ってこと。それは、とりもなおさず「(親が)言うことを聞いてくれた」という経験の少なさでもあるんですよね。それに「手立て」をしないと、何に困っているのかも、わかっていないかもしれません。人は、自分で選び・決める、判断してくるから、「快・不快」を経験し、実際の社会で「それは、困ったな」がわかるんですよ。

誰であれ、思春期は親には言いにくいものです。でも、それが過ぎ、青年期になると、言いやすい関係であれば、相談も自然にしてくれるようになります。その時に居心地の良い関係になるように。親は「言うことを聞く」ようにしてくださいね。断る時はもちろんきっぱりと理由を説明して、納得を待ちます(それが向き合うってことです)。

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