「唯一わかるもの」となってしがみついてしまう。つまりわかるものが他にない(時々、ショップメルマガ2023年3月25日)

今日は、1000問答にいただいた相談から

<4月から小1女子、軽度知的自閉症、療育手帳B2。一歳半頃から療育にいき、2歳3ヶ月で診断。多動多弁で夜も寝ないのでタブレットを早くから見せていました。私1人で育てている為タブレットには頼りきりで今でも携帯への執着がすごく、携帯がないとまったくジッとできません。ご飯も歩きながら食べだします。1月から投薬をはじめ、夜中起きることも減り寝るまで携帯を離さないということはなくなりましたが、どのようにしたら見る時間を減らせ、また携帯がなくてもじっとできるでしょうか? 幼稚園などではなくても頑張ってるようですがずっと喋っていて、動かない時は口がとまらない。私自身病気もあり一緒にずっと遊んであげる体力もありません。だいぶ話すようにはなりましたがまだまだコミュニケーションは難しいです>

 「携帯を見るのをやめさせる」ことよりも、まず暮らしがわかりやすくなっているかどうかをみてみます。ご飯も歩きながら食べたりするところからも、家の中が構造化されていないのではないかと思います。例えば、食事する場所(テーブルや椅子)や本を読んだり絵を書いたりする場所等は兼用を避けてご本人にわかりやすくするということ。時間のわかりにくい「幼児学童期」では、活動と場所を一致させる「一対一対応」を家の中でも心がけるようにしましょう。すると「ここでは@@する「ここでは%%する」とメリハリがついていきます。

 また、小学校にあがられるわけですし、本人と一緒に「巻物カレンダー」を作り、いつ何があるがわかるようにしていきます。じゃないと心構えや心待ちといった「心が支える」ことがみについていきません。また「スケジュール」です。家の中での過ごし方が、携帯やタブレットばかりですることをしてくれない、夜の就寝にも影響があるのであれば、毎日のルーティンが身につくように、「おはよう」から「おやすみ」までを「視覚化」して本人が判断できるようにしましょう。することをしてくれたら「携帯やタブレットでの余暇や時間潰し」はかまわないわけだからです。また、今後宿題やお手伝いなど作業的なことをいつしたらよいのかを、本人と一緒に決めるためにも、日々のスケジュールが必要になります。

 実は自閉症の人は落ち着いてくるとお喋りはあまりされません。つまり、園でずっと喋っているのは、不安だからなんですね。なので園でも(次の小学校でも)その日のスケジュールや課題の手順書、ルール説明など見えるようにしてもらいます。そうして、見てわかる世界が広がっていくと「ずっとお喋り」は減っていきますよ。

 家でも、だいぶ話すからとお喋りに頼っていることを「見えるコム」していきましょう。出かける時にも、行き先を選んでもらい、その順番を書いた「スケジュール」を持って出かけてください。コミュメモが役立つと思います。

 携帯やタブレットは確実に反応があり、わかりやすいので、「唯一わかるもの」となってしがみついてしまう(つまりわかるものが他にない)のですが、手立てをすることで少しずつ違っていくと思います。

一緒に遊ぶなどの余暇の提供ももちろん必要ですが、その前に「時間と場所の構造化」をしてみてください。携帯やタブレット等での心配事は、餅は餅屋ですので、その分野の本を読む、講師の話を聞くなどをお勧めします。

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