15周年物語 8

ハルです

で、将来はどうする?です

記者さん「で、今後こんなことをしたい、あんなことをしてみようというのようなことはありますか?」

暫く考えて、「ないなあ」と言いました。実際、商品的には、思いつかないですよね。硬くしたり、大きくしたり、小さいくしたりすることはしても、なにか他に役にたつものが思いつかない

一つあるとすると、お金にまつわるものかなと思いますね。紙製品だとプリテックに頼めるけど、プラ系になると業者探しからしなくちゃいけない。でも、100均にあるものでも、代用が効くしねえ。

それに、大人になるとそんなにあれこれいらんのです。基本ができてくると、なんでもokにもなるし。えらぶメモなんていうのは、おはなしやふきだしで代用できるでしょ。でも、「ここぞ!」というときは、えらぶメモ使うけどね。なので、成長過程のときとは、違って、思いつかないんですよね。

それが、そろそろ若い人たちに、譲っていかないとと思っている一つです。だって、脳みそ硬くなるもん。年行くと。

私が自閉症と出会ったのが、32歳の頃。パソコンを打ち始めたのが、34歳の頃。起業は41歳の頃。今、56歳。

中邑先生が、63歳ですから、一番いい時にお呼びすることができたと思っています。やはり、70歳に近づくと、話が「違った意味」になっていきますから。年齢って大事だと思います。70歳以上の先生を呼んで話を聞くとなると、それは、「人生講和」ですよ。「障害支援」じゃなく。

起業する前、病室の父が、「自閉症のことはわかっとるんか?」と聞いてきたから「1995年から、8年経っているから、だいたいわかった」と返事したのを思い出します。まだまだ先はあったけど、「みとおし・えらぶ・おはなし」はわかっていたから。

その時に、どんなことでも、10年は学び蓄積する時期で、次10年は周囲に還元する時期だと教えてくれました。でも、次の10年は何をしたらいいのかは、教えてくれませんでした(自分で考えるしかないのか)。

ブログとかでは本もご紹介したことがありますが、父は「町並み保存」と言う言葉を作った人です。この街を残すのに尽力しました。「篠山は倉敷や飛騨高山のような観光でしか生き残れない」と私が小さなときから言い続けていました。

けれども、住民や行政はこんな古い建物は潰して新しくして暮らしやすくしなくちゃと反発が大きかったのです。わかってもらえないことを嘆いていましたね。

自分も美術館や資料館を作って、有名な芸術家や能楽師を呼んでイベントをするのですが、町民はほとんどこない。で、「地元の神さんありがたないって言うんやで」と教えてくれました。多くの人は、どんなに良い寺や神社が家の近くにあっても、他所にある神社仏閣にお参りに行くんです。

今残る「篠山歴史美術館」は、日本で最古の木造建築の裁判所でした。それを取り壊す話になった時に、父は若い者を連れて座り込みに行きました。そして、向きを90度回転させることで、道を通すという案におさまったのです。

今、篠山は「丹波篠山」と市名変更までして、「観光地」「良い田舎」としてアピールしています。それを見て「ほれ見てミイ」と父は言うのかなとか、どういうのかなと思いますね。

私が病室で愚痴った時に、こんなことを言うてくれました

https://ameblo.jp/haruyanne/entry-10048272517.html

あれから、15年。個人レベルではわかってくれる人は増えましたね。ハルネット 100人越えが、ユーザー5000人越えが、その証明です。

でも、今回、丹波篠山で記念講演会を中邑先生をお呼びし、企画し、市内の学校関係はほとんど関心を持ってもらえませんでした。福祉関係も、うちやスタッフが関わっている事業所からはきてくださるけど、他は知らんぷりですよ。

幼児療育施設に通ったり、学童期の支援級に通う子供達の若い親御さんにも情報が届いているとはとても思えない状況です。「地元の神さん、ありがたない」がほんまの意味でわかりました。

それが、現実なんだと思った時には、落胆もしましたが、でも「自分たちは、シアワセだ」というこの事実があるのは、大きいんです。そういう無関心に取り込まれなくてよかった、自分たちの道を歩んできてよかったと。

上の言う通り、隣と同じようにと、知らされてこなかった(知ろうともしなかった)人たちは、立ち止まった時に、自分たちでまた探していくしかないのです。


あと、10年して、私「ほれ見てミイ」って言えるでしょうかね?


今度、15周年にお越しの際は、その「街並み保存」に尽力した人がいたから残った、美しい篠山の街並みも楽しんでくださいね

正直、私自身の集大成と思っています。20周年のことは期待しないでください。

会場では、「ハルネット」のブース(机)も作ります。そこで、ご歓談くださったらと思っています。ネットでは話をしても、なかなか実際に出会うことがないので。ハルネット ユーザーさん、今回はいっぱいいらっしゃいますよ。ふきだしーるに、ハンドルネームを書いてもらって、ぺたりと服に貼ってもらおうかと思っています。

続く