「今ないもの」が「将来にあろうはずがない」(時々、ショップメルマガ2023年9月11日)

★こんにちは、ハルヤンネです★

新しい月がまわってきました。北の果てで迎えた今週のスタート。昨日は相談会、講演会、懇親会と3回話して、喉がカラカラですが、今日帰途につき、明日から日常に戻ります。同じところで回数が増えると話のネタを変えるのですが、昨日は「杖の役割」と「非常時の支援とコツ」なので、見通しの大切さや選択活動の必要性とかは、あまり話せなかったんですね。でも、後で「杖の役割」を聞いたことは、とても沁みたと言われました。

多くの方が、「今できてないことをなんとかしたい」と言われます。また、「将来はしてもらえないのだから、手立て・助けなんて甘い」と。そう考える、話すところに「今できること」は抜け落ちてしまっているのです。「今ないもの」が「将来にあろうはずがない」のに。

例えば「引き込んでおられる方」の相談を受けることはよくありますが、外に出そうとばかりされるんですね。そうすれば、改善されるように思っておられる。でも、その前に「今の状態で、自分で判断して、自己決定して、暮らしているのか?」があるんです。それがないのに、外に出たら・・ではないのです。その本人が自分の暮らしを判断する方法としてカレンダーやコミュメモやボードがあるんですよ。なので、その相談でも、私は全く関係ないような「巻カレで時間軸」と、それに「生活費を乗せる予算軸」をしていきましょうと話します。

また、病院や施設にいるとして、そこでその人が判断できるようなシステム(その構築を手助けしてもらう)を作ることは、退院後退所後も、それを引き継げば、手掛かりにやっていけるってことです。「今、いるところ」で「今できることをしっかり支える」それが「杖の役割」です。

でも、ほとんどの人が「できないところをなんとかすれば」と考えてしまう、幼児期での家庭の親も、学校の先生も、そして、療育の支援者も、そう考えがちなのです。いや、社会全体が「できないところを」を見ているような国になってしまっていて(それを非難するような)、「できるところ」支えるという認識が希薄なんですよね。

相談の多くは、「できないところをなんとかならないか」とやってきます。「杖の役割」をご存知ないからです。昨日、質疑応答のラストでお伝えした逸話は、こちら。

「杖の役割」を忘れないでください(2020年1月7日のメルマガ)
https://note.com/haruyanne/n/nf3efcaa41257

私が20年コンスタントにやれたのはこの理屈を知っているからです。辛いことがあっても、「今できること、好きなこと、動くところをしっかり支える」と持ち直していくことを知っているから。長い目で見れば人生自体が違っていきます。こんな世の中だからこそ、早くわかってほしい「杖の役割」です。

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