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アーツ アンド クラフツとデザイン展@千葉県立美術館
またまた千葉まではるばると出掛けてきました!
先月、テオ・ヤンセン展に行ったときに次回予定に「アーツアンドクラフツとデザイン展」があることに気づき、楽しみに待っていたのです♪
ウィリアム・モリス、ご存じでしょうか?
産業化が進む19世紀に、イギリスで手仕事によるものづくりと生活と芸術の統合を目指した「アーツアンドクラフツ運動」という活動をスタートさせた人物です。
1861年に「絵画、彫刻、家具、金工の美術職人集団」モリス・マーシャル・フォークナー商会を創設し、住居、教会、公共建築用の壁面装飾や彫刻、インテリア、家具、生活必需品などなどいろんなものを製作したのです。
その後、アーツアンドクラフツ運動はヨーロッパ、アメリカ、日本にも及びました。
今回の展示では、壁紙やテキスタイルがメインで展示されていました。
まずはこのデザインからスタートです。
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モリスの初期のデザインです。
新婚時代の自宅のバラの生垣がヒントになった作品。モリスといえば、草花や鳥など自然をモチーフに扱ったデザインがよく知られています。
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写真が斜めっててすみません…
パターンの配置とか優雅さとか見入ってしまいます。
ひまわりの方は、実際にうちの壁紙がこれだったら目がチカチカしちゃいそうですが、パネルに貼って飾るとかファブリックをカーテンにするとかしたら、とてもかわいいと思います。
超有名なこちら、「いちご泥棒」も素敵でした。
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インディゴの抜染に木版で他の色を重ねた複雑な技法を最初に成功させたデザインだそう。
モリスの別荘のいちごを啄みにきたツグミに着想を得たと言われています。
「いちご泥棒」ってネーミングもかわいい。
今でもお財布とか服とかバッグとかいろんなものに使われているので、このデザインを見たことある方も多いかと思います。
さすがに現在流通している製品は機械化された大量生産品でしょうから、モリスが目指した「手仕事によるものづくりと生活と芸術の統合」とは異なりますが、モリスの残したデザインがこうして今でも愛されているのは素晴らしいことだと思います。
モリスの作品では、今回の美術展のパンフレットにも使われている「ガーデンチューリップ」も優しく爽やかな色彩が美しかったです。
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こういったデザイン以外にモリスの手がけた書籍も数点見ることができました。
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こういうアール・ヌーヴォー的な細かい文様、大好きなんですよー♡
いやあ、美しい。もうずっと見てられる!
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デザインはウィリアム・モリス
ウィリアム・モリスはデザインだけでなく、作家としても有名。
私、「世界のかなたの森」というモリス著のファンタジーを先日読みまして…
ざっくりあらすじをお話ししますと、
主人公は家柄にも恵まれた美しい青年。唯一の悩みは結婚生活がうまくいっていないこと。妻が自分よりも劣っている男と不倫してるのです。そんな妻のいる家なんてもういたくない!と青年は船旅に出ます。すると海が荒れ、流れ着いた島で冒険することになり、その過程で出会った美しい姫と結婚して、城の主人となり幸せに暮らしましたとさ。
…という話。
で、「この妻が不倫してる」という部分、実はウィリアム・モリス自身の悩みでした。
その不倫相手が、上の写真の本の著者、ロセッティ。
詳しくは五郎さんの素晴らしい解説でぜひ見ていただきたい!
ちなみに、今回、夫と一緒にこの美術展に行ったのですが、「ロセッティがクズなんだよ」と私が熱く夫に語っているのが聞こえてしまったらしく、見知らぬ女性に「お詳しいですね…」と声をかけられてしまいました。汗
今回の展示では、モリス以外のアーツアンドクラフツに携わった人たちの作品もたくさんありました。
↓これとか、すごくかわいい。
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チャールズ・フランシス・アンズリー・ヴォイシーの作品です。壁紙ではなく、布地か何かのデザインなのかな?それともただのイラストなのか?
よくわからなかったのですが、かわいいは正義。
うん、かわいいからヨシ!
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こちらもヴォイシー。
これ、なぜだか気に入ってしまい、ポストカードも買いました。色のセンスが好み。
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こういったタイルもデザインしてたのですね。
牡丹はケイト・フォークナー、
ロングデンはおそらくフィリップ・ウェッブ
ポピーはウィリアム・モリス
他にもランプ、椅子、キャビネット、食器類、宝石などなど美しい品々もたくさん展示されており、見ていて幸せでございました。
…あ、最後にフランク・ロイド・ライトの作品が唐突に2つ展示されていました。
展覧会のタイトルが「アーツ・アンド・クラフツとデザイン ウィリアム・モリスからフランク・ロイド・ライトまで」だもんね。
ないと困るよね。
アール・デコなステンドグラスのドアと同じくステンドグラスの窓の2点。
美しいけど、手仕事なんだろうけど、なんか雰囲気違くない…?と、ちょっと思ったり。
千葉県立美術館らしく、番外編という感じで最後の一画には千葉にゆかりのあるアーティストとアーツアンドクラフツの展示として、浅井忠、豊田勝秋、高村豊周の皿や花瓶なども展示されていました。
浅井忠はフォンタネージに学び、明治美術会を創立した人。(←美術検定の勉強をしてたときに学んだ知識)
今、Wikipediaで知ったのですが、夏目漱石の三四郎の深見画伯のモデルと言われてるのね!
へえ、知らなかった!!
テオ・ヤンセンの時とは異なり、ミュージアムショップもかなり気合いが入ったラインナップとなっていました。かわいいデザインの小物がたくさんあり、私も気づいたら図録の他にポストカードとノートも買ってました。
規模は小さいけど眼福な展覧会です。
おすすめですよー!
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