童話集『水曜日のクルト』より「血の色の雲」レビュー
西の空を染める夕焼けに何を思いますか?
きれいやなぁ。明日もいい天気……というか暑いんやろなぁ。
今日も暮れていくなぁ。自分なりに頑張ったんちゃうかな?
それとも美しい色合いに見入ってしまうか。
でも、もしかしたら、どこかで誰かが流した血の色なのかもしれない。読了後、そんなことを思いました。
大井三重子著『水曜日のクルト』の中で唯一ファンタジー色を持ちながら、他の5編の収録作のような心温まる話とは趣の違う作品です。若干ネタバレしますので、ご注意下さい。
うすべに色の雲の縁で