新美南吉『鳥右ヱ門諸国をめぐる』レビュー
このところ青空文庫で新美南吉作品をコツコツと読み、一作ずつメモを取っていくという地味~な作業を続けております。
この『鳥右ヱ門諸国をめぐる』は南吉作品の中ではかなり異色ではないかと思い、レビューを書いてみる気になりました。ネタバレには注意しますが、読んでみようと思われる方はご注意下さい。
あらすじ
鳥山鳥右ヱ門はしもべの平次を快く思っていなかった。好きな犬追物をする鳥右ヱ門を見る平次の目が鋭く、咎めるように心を刺してくるから。鳥右ヱ門は視線に耐え切れず、平次の右目を矢で潰し