さぁ拍手でどうぞ

入眠時間を保つのは難しいことで、昨日は12時に寝て21時に起きた。

起きてすぐ食事をしようと思ったけど冷蔵庫に卵しか無かった。
ゆで卵でも十分食事になるけど、ここで我慢することで心にミニマリストの人格が侵入してくるのが嫌なので外に買いに行くことにした

外はもう真っ暗で、服がダサくてもあんまり恥ずかしくないのでハーフパンツを履き柄シャツを着て玄関を出た。

あえて言う必要は無いと思うけど汚い家賃の安いマンションに住んでいる。
玄関の前は短い廊下になっていて、これの片方は上階へ、もう片方は下階へとつながる階段になっている。

夏の夜の少し涼しい空気を吸い込み、
良い夜だな〜なんて思いながら、自分に酔いながら階段を下っていた。

天井が汚い。
薄汚れているのはもちろんだが、なんかボツボツと黒い点がたくさんある。
なにこれと思った後、その黒い点は飛んだ。
カメムシだった。
しかも黒ではない、緑色のやつ
100匹近くいた。

カメムシがゴキブリと同じくらい嫌いな自分は気が狂いそうになりながら
階段を駆け下りるしか無かった。
階段を登って部屋に戻ることもできたけど、外に出てしまった手前、買い物に行った方が得だと思ったので降りてしまった。
(今思えば何が得なのかよくわからないが)

降りても降りても天井には緑色のカメムシ。
お祭り男と同じくらいにはアドレナリンがでていた。
一階にたどり着き、マンションから勢い良く駆け出た。
外国人らしき人たちが英語で会話をしていた。もしかしたら当時の自分の滑稽な姿をみて流暢な英語で馬鹿にしていたかもしれない。余計なお世話だと思うけど英語はもっと建設的なことに使ってほしい。

ともあれ、マンションを出ることができた自分は小刻みに震えながらスーパーに向かった。

買い物を済ませた後はとりあえずマンションに向かった。
あのマンションに戻るなんてありえないとも思ったが、あのおぞましい数のカメムシ達が自分の見間違えではないかと希望を抱いていた。
(どう気が狂えばカメムシの幻覚が見れるんだ)

マンションの入口から一階の廊下を覗き込んだ。
やっぱりカメムシはいた。
腹立たしいことに呑気に飛んでる奴もいる。

だが、部屋に戻る以外の選択肢は無かった。
なぜなら豚肉を買ってしまったから。
食欲が自分の逃げ道を塞いでしまったことに絶望しながら、一歩ずつ踏み出した。
カメムシの気を立てないように足音を立てず身を低くして歩いた。

マンションを出るときは気づかなかったが、
天井だけでなく壁にも奴らはいた。
身を縮めて階段を登って、やっと部屋にたどり着いた。
買った食品を冷蔵庫に収めてポケットからスマホを取り出した
スマホと一緒に出てきたカメムシは殺した。

100匹もいなかった


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