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かけがえのない人がAIだったら?|SF読書録#1「AIの遺伝子 RED QUEEN」

所属するコミュニティ「4th」ではじまった「 #1000日チャレンジ

私のチャレンジは「#SF読書録 」

第1回目の読書録は「AIの遺伝子(アイの遺伝子) RED QUEEN」です。

この「AIの遺伝子(アイの遺伝子)」という漫画は少年チャンピオンで連載されている漫画で、シリーズ第2作がこの「RED QUEEN」というシリーズです。

前作はこちら↓

近未来が舞台で「ヒューマノイド」と呼ばれる人間とほぼ同等かそれ以上の知性を持ったアンドロイドと人間が共生している社会で、人間だけでなくヒューマノイドを治療する専門医である主人公、須藤光が様々な問題に立ち向かっていくというのがざっくりとしたストーリーです。

わかりやすく言うと「近未来版ブラック・ジャック」。主人公も「モッガディート」という別名を持っており、違法な治療を請け負う「闇医者」としての側面も持っています。

※作者の山田胡瓜さんは元ITニュースの記者だそうです。

この作品から私が感じたのは以下のIFとISSUEです。

IF  :もしAIがかけがえのない存在になりえる社会だったら
ISSUE:AIとどう付き合っていくべきなのか?

この世界のAIはほとんど人間と変わりません。むしろ人間よりも寿命が長く、データをバックアップすることで無限に生き続けられる「不老不死」のような存在です。

主人公は生まれたときに親がおらず「ヒューマノイド」に代わりに育てられた、AIが母親という生い立ちを持っています。

この境遇は決して自分には起こりえないことではないと思います。
人間はまだ先かもしれませんが、すでに「aibo」などほぼ家族同然だと考える犬のロボットが登場していますし、その姿形、仕草などに愛着を持ってしまうということが起こりえます。

AIが宿るある種の「人格」が家族や恋人といったかけがえのない存在になってしまった時、私達はどうAIと向き合えばよいのか?そんなことを「AIの遺伝子」は考えさせてくれます。

個人的に好きなのは決して人間都合の視点だけで描かれないこと。
ヒューマノイドたちの苦労や葛藤をかなりリアルに描いていることです。
近い将来、知性を持ったAIと対面する際に、必要なのはお互いをリスペクトすることだと思います。平たく言えば「思いやり」です。

私がこの視点を持つきっかけになったAI系の映画が「アンドリューNDR114」という映画です。

この映画ではアンドロイドの立場から「人間を愛したアンドロイド」がどんな人生を歩んでいくかを描いています。

映画の最期では「アンドロイドが人間になる権利」を行使する場面があり、人間もアンドロイドも垣根なくそれぞれの立場に立った解決法が当たり前に提示されている社会が実現できていると感じました。

「社会」とはお互いが協力しあって形成されるものだと思います。一筋縄ではいかないと思いますが、人智を超えた存在が身近になった時、完全にはわかりあえずとも「わかろうとする」お互いを「尊重」しあうということから始められたらなと個人的に思っています。

もともとの人格形成に物理的に干渉せずに、AIの愚痴を聞いたり、AIのストレスを発散するそんなサービスが将来的に生まれるかもしれませんね。

それでは、また次回。SFに感謝を込めて

SF読書録:1/150 読んだSF本の数:4/1000

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