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セックスレスで悩んでいた私へ

茶化すつもりは一切ない。私自身がセックスレスで苦しんで、ネットの海を彷徨った経験から、誰かの助けになればと思って書くことにした。

結論からいえば、【男のセックスレスは直らないから、早く別れて】なのだが、それで納得するような人は、こんな記事は読まない。大抵悩んでいる人の場合、相手はとても良い人でセックスレス以外は不満もあまりない、と思っている。
さらには、趣味・金銭感覚・倫理観…etc.がこれほど合う人はもう見つからないのでは、という危機感すら持っている。それも分かったうえで、私は言いたい。セックスレスで悩んでいるのなら、別れるべきと。

ここまで書いて、じゃあ貴方はどんな経験をしてきたの、と聞きたくなると思うので、私がセックスレスで悩んだ過去を書こうと思う。過去の自分にむけて、同時にネットの海で同じ悩みを抱えている方へむけて。

私の過去 -でも、いい人だし-

私がセックスレスで悩んだのは、28歳前後。
当時付き合って3年ほど経つ彼氏と同棲生活をしていた。付き合った当初は頻繁に体を重ねていたし、そういう頻度になんら疑問もなかった。セックスレスの悩みなんて抱えるとすら思っていなかった。

同棲2年目。ふと気がついてしまった。この2ヶ月ほど、体の関係を持っていない。気がついてしまった時点で、寂しさを抱きはじめていたのだと思う。同棲して恋人とセックスレス。よくある話だ。
よくある話ついでに、私はさらによくある話を重ねた。ちょっと良い下着に変えてみたり、夜もうっすらメイクをしてみたり、ボディークリームに気遣ってみたり。すごく健気だ。もちろん、そんなことでレスが解消されるわけがない。事態はそんな単純なものではなかったのだ。甘かった。

そして、自分から仕掛けることになる。勇気がいる。相手がその気になってくれると確信がある時とはワケが違う。拒否される可能性が高いことを知った上で、「ねぇ」と肩に手をかけるのだ。
「今日は疲れてるから無理」 と拒否される。よくある話。
「じゃあ、いつならいい?」 と聞いてしまう。よくある話。
「じゃあ、土曜に」 事務作業かよ。
セックスはいつしか約束しないと出来ないものになり、土曜にドキドキしていた自分はあっさり裏切られる。「やっぱり土曜も疲れてた。そんな気がしない」。

ガッカリしてしまうのだ。一人でぽろり、ぽろりと涙をこぼして泣いた。なぜ泣いたのか。
約束も守られなかったことに?
自分だけ浮き足だっていたことに?
相手がその気持ちになってくれないことに?
セックスレスごとき(と、どうしても思ってしまう)で悩んでしまう自分に?
もう全部よ。全部。恥じらう気持ちがなくなっていたのかもと自分を責める。ただ相手にたいしてはセックスレス以外の大きな不満もないのだから我慢しないと、と自分をなだめる。大抵の夫婦はこうなのだ。みんな静かな顔をして、我慢してやり過ごしているのだ。私も我慢しないと、と苦しみながら自分をなだめるのだ。

私は大声で言って過去の自分を抱きしめたい。「別れなさい。あなたを愛おしく抱いて過ごしてくれる男は他にもいる」と。

セックスレスなんかで別れるのは、恥ずかしい。
そう思っていた。でも、セックスできない男の洗濯や料理ができますか?

私はできると思っていた。
でも、何度か話し合った末に「君のことは大事だ。でも家族としか見られない」と言われて、また一人で泣いたあとにキッチンで思ってしまった。「なんで私は、自分を抱きしめてくれない人の料理を作らないとあかんの?」と。体の関係もない、キスもない関係性って、もしやこれは同棲ではなくてルームシェアだったのか? シェアメイトのご飯を私は毎日作っているのか? はぁ? と思ってしまった。

そのうえ、ある日アダルトサイトを見ている痕跡を見てしまう。
これもよくある話。
レスになる前に見たときは「へぇ、こういうのが好きなんだ」と笑えていた。そんな自分がセックスレスになった後に同じ場面に遭遇した時は笑えなかった。恋人が求めてきても抱けないくせに、性欲はちゃんとあって勝手に解消してるんだ、ヘぇ〜ふ〜んって。じわじわ腹が立ってくる。

外で性欲を解消したら、スッキリするとかそういう話じゃない。
好きな男に求められて、体を重ねて幸せを感じたいのだ。ただ、好きな男はあなたを「女と見れないけど大事な存在だ」とか言ってくる。無垢な目で「なんでそんなにセックスが大事なのだ」と、まるで私が汚れた変な存在かのように言ってくる。あげく、『性欲魔神』とまで言われて泣いた。布団のなかで、なんて惨めなんだとスヤスヤ眠る男の隣で静かに泣いて、ネットで同志を探した。友人に「私は恋人とセックスがしたいのに、レスされている女なんです」と相談するハードルは高いから。

別れていいの。別れなさい

『セックスレスで別れるなんて』
は、あなたが自分自身にかけた呪いだ。高尚じゃないから? 下卑た理由だと?
実際にあなたは泣いて苦しんでいるのに? もっと、もっと、あなた自身を抱きしめてあげてほしい。

好きな人に求められたい。
それは自然な欲求で、否定しなくていいのよ。ただ、今のパートナーとその重要な価値観が合わなかった。他の価値観が合っていたとしても、そこは重要な感覚なのだ。人間は霞を食って生きている仙人ではない。肉体を持っている。相手と手を繋ぎたいと思ったりもする。食の好みも、性欲だって、著しく一致しない場合はなかなか一緒に暮らしてはいけない。男のセックスレスは、もう変わらないと思った方がいい。セックスレスの一因は、私自身にもあったかもしれない。でも、抱いてくれない男を相手にこれ以上試行錯誤して傷つかなくていい。もう十分に悲しんで苦しんで、この記事を読んでいると思うから、これ以上傷つかなくていい。

好きな相手が身近にいるのに求められない、体の温もりを感じることができないのに、その相手は「君のことが好きだ。ただ抱く気持ちになれないだけだ」と言うかもしれない。でも、あなたは苦しいのだ。もっと自分を大事にしていいのよ。

その後の私

私は、その同棲相手と別れた。
入籍日まで決まって顔合わせもしたあとに別れた。他にも色んなことが辛くて別れた。
彼に「セックスレスでどうやって子供を作るのか?」と聞いたら、「子作りのためだったらセックスは出来る」という言葉を信じて結婚するつもりだった。その言葉に一縷の望みをかけて結婚するつもりだった。甘い、甘すぎる、激甘な認識。早く起きろ、わたし。そんな男はいつまでも抱かないのよ。

しばらく経って、その後に付き合った男性とセックスをした。事後に、男性は幸せそうに「君とこんな関係になれるなんて、最高だーっ」と抱きしめてくれた。私はもう、幸せだなぁ、と泣きそうになった。嬉しくて。好きな者同士で抱き合えて、満たされる幸せは、ある。

セックスレスって、”そんなこと”じゃないのよ。
一人でいれば、こんな苦しみを知らずに済んだのに、と思うぐらい辛い。好きな相手であるだけに辛い。私は「さっさと、一刻も早く別れなさい」と過去の私に言いたい。

私はセックスレスで泣いていた時に、同じように苦しんでいる女性の声を聞きたかった。そして、どう解放されたのか知りたかった。だから、ここに書くことにした。誰かの救いの欠片になったら、それが幸い。 よくがんばった

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