マホロアが情緒に突き刺さって10年以上抜けない話
注意書き
この記事には、「星のカービィ Wii」の重大なネタバレが含まれます。未プレイ及びネタバレを回避したい方は読まないことをお勧めします。
マホロアという、インパクト大なキャラクター
皆様、マホロアというキャラクターをご存知でしょうか。
「星のカービィ」シリーズに登場するキャラクターで、初登場は「星のカービィ Wii」(2011年発売)。もう10年以上前のゲームです。びっくり。
約10年前のゲームに登場したキャラクターではありますが、リメイクとして「星のカービィ Wii デラックス」が発売予定ですし、「星のカービィ」シリーズに登場するキャラクターの中では、他作品やグッズへの登場頻度も結構高いため、知名度が高いキャラクターだとは思われます。
外見は丸っこいシルエットの魔術師といった感じで、口元はベルトで隠されておりますが、よく表情を変える黄色い目とジェスチャーでこちらに喜怒哀楽を伝えてきます。
作中では、マホロアは乗ってきた船ローアのパーツが壊れて困り果てており、そこをカービィとその仲間達に助けられることとなります。
ステージの合間合間ではマホロアに話しかけることもでき、ゲームを進める中で自然とマホロアに愛着が湧いていくような仕組みになっています。
実際、私も「可愛いなぁ」と思いながらゲーム内で会話しておりました。
しかし、マホロアのことをある程度知っている人は、上記の要素が彼の本質でないことはご存知でしょう。いえ、下手したら、マホロアについてはもうその正体の方が有名かも知れません。
なので、詳細はあえて割愛させていただきます。
マホロアの正体、それは、カービィ達を散々利用した挙句、盛大に裏切った大悪党です。散々な言いように聞こえるかも知れませんが、本当にこんなキャラクターなのです。詳細を知りたかったら、是非今後発売される「星のカービィ Wii デラックス」を遊んでください。
カービィ(プレイヤー)に船のパーツを集めさせ、敵であるランディアを倒させたマホロアは、ランディアが守っていた秘宝を奪い取ると、「秘宝の力を使って全宇宙を支配する」という、恐るべき野望を暴露します。
散々こちらにお願い事をした挙句、自分の望みが叶えば恩を仇で返す。
マホロアのとんでもない行動は、作中のキャラクターだけでなく、プレイヤーにも大きな衝撃を与えました。
マホロアのせいで、カービィの新作が出る度「今度の相棒キャラは裏切らないだろうな……?」と、プレイヤーが疑心暗鬼を抱く羽目になりました。「星のカービィ ディスカバリー」のエフィリンとかめちゃくちゃ疑われていました。可哀想。
散り際の絶叫と、虚言の中に隠れた本心
終盤でカービィ達を裏切ったマホロアは、そのままラスボスとしてカービィ達と激しいバトルを繰り広げます。
プレイヤーとしても「人を散々戦わせてアイテム回収させて、この仕打ちかー!!」と怒りを乗せながらコントローラーのボタンを押し、ブンブン振り回しておりました。
そんな激闘の末、異形となったマホロアを倒します。
異形となったマホロアは絶叫しながら小さくなっていき、最後は静かに消滅します。
その最期を見た時、私はスカッとしたという気持ちにはならず、何とも言えない物悲しさに襲われたことを覚えています。
マホロアが消えた時の、この物悲しさは何なのか。
その時、私は、マホロアを心から嫌いになれておらず、寧ろ好きだったことに気付いたのです。失恋かよ。
しかも、難易度が高いモードでは、マホロアはマホロアソウルという形態になり、マホロアソウルを倒すと、(公式には明言されていませんが)カービィの名を呼ぶような絶叫をしながら消滅します。
自分を倒したカービィに恨み言を叫んだのか、最後の最後に助けを求めたのか。
後に関係者から語られた設定となりますが、マホロアは「カービィと友達になりたい」という気持ちは本当だったそうです。
本編であんなことしておきながらどういうことだよ、と思わなくもないですが、自分の野心を押し出して行動してきたマホロアが、最後の最後に友達になりたかったカービィを求めた……。その思いが出たのが、あの絶叫だったのかも知れません。
この瞬間、マホロアは私の情緒に深く突き刺さり、抜けない棘となりました。
嘘つきの悪党なようでいて、その本心は純粋なものだったというギャップが深く深く突き刺さったのです。ちなみに後にFGOでもこんな男キャラに出会う羽目になります。
そして、約10年間、未だにマホロアグッズを集めたり、リメイクの発売に喜ぶ羽目になっているわけです。10年て。人生100年計画だとしても、10分の1の期間はマホロアに心の一部を割いている計算です。なかなか恐ろしいですね。
しかも、後にマホロアの生存が確定しても特に私の中で好感度が変わらなかったんですよね。散り際で決定的に好きになったと思っていたのに、不思議です。
きっと、この後10年も20年も好きでいるんでしょう、この虚言の魔術師を。
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