洋上風力発電公募争奪戦

洋上風力発電は日本の脱炭素戦略を長期的に支える柱として期待される。日本は2050年までに温室効果ガス実質排出ゼロを国際公約している。2021年11月のCOP26に提出した2030年までの計画では、日本の総電力消費量のうち、再生可能エネルギー比率は36~38%としているが、現状はまだ18%に過ぎず、果たして現状の2倍以上になる38%をあと8年で達成できるのか不透明だ。

一方、2050年にCarbon Newtralを実現するためには洋上風力発電で4800万kwhを達しなくてはならない。洋上風力発電については日本はオランダ、デンマーク、英国などに比べて経験が浅いので、準備に時間がかかり、2030年までにその規模は実現できないが、できるだけ早く日本近海の全域で洋上風力発電事業を手掛けて長期目標を実現する必要がある。

政府は2030年までには1000万kwを達成する目標をかかげて2021年12月に公募計画を公表し、公募が開始され多くの企業連合が参加して、公募海域での権益確保の争奪戦が行われた。

以下、その状況を説明し、今後の課題等について考えたい。

ここから先は

3,812字

島田晴雄が世界情勢を語る「しまはる塾」でお伝えしている様々な事象を、さらに詳しくペーパーで解説します。次から次へと”玉手箱”を開いて参りま…

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?