CVとワクチンの開発と普及の課題

Ⅰ. はじめに

・ワクチンはCVとの戦いでもっとも必要とされ、また待望される。
・有効なワクチンが開発され、世界のそれを必要とする人々に提供されれば、人々はワクチン摂取によって、体内に抗体が形成され、ウィルスが感染しても抗体の免疫効果によって発病せず、また重症化から免れる、と期待される。
・そうしたワクチンが開発・提供されれば、都市封鎖や外出禁止は不要となり、経済活動は妨げられずに済むので、感染による大不況などから救済される。

・しかしワクチンの開発は容易ではない。とりわけCVは遺伝子の構造から頻繁に変異する傾向があり、感染地域や人種の環境要因に適合したウィルスが繁殖する傾向があるので、空間的にも時間的にも多種多様なウィルスが発生するため、ワクチン開発はそのような多様で変幻自在なウィルスを対象とせざるを得ず、大規模なデータ収集と研究が必要。
・ワクチンの研究、製造、治験、提供のプロせずには膨大な資金と人材が必要で、米中などの大国の企業や国家組織が総力をあげてようやく開発が可能になる。
・先進諸国の先進企業や研究機関には、2020年末ないし2021年春までには治験を終えてワクチン提供ができるとしているところが10〜15ほどあるが、安全性や副作用のリスクなどまだ不確定・不透明な部分が多いのが現状。

・そうして開発されたワクチンはおのずから高価(1回分で30〜50ドル、しかも何回も摂取が必要な場合も)であり、ワクチンをもっとも必要とする感染しやすい途上国や貧困国が入手するのは極めて困難。
・低所得国のもっとも必要な人々にワクチンを提供するてだてはないかWHOや様々な国際機関が懸命に検討しているが、先進諸国からの資金調達や協力は確保しがたいのが現状。

Ⅱ. CV(新型コロナウィルス)とは?

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