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PBMの会社に行った話

この記事はひとしろ氏主宰の「創作キャラクター交流ゲーム Advent Calendar 2023」に向けた記事です。

タイトルまんまです。
PBM(Play By Mail)というゲームがあります。今だったら「郵便で遊ぶPBWだよ」と言った方が通りがいいでしょうか。
今回はその運営会社に行ったお話です。

時は2000年代初頭。なんかバイトねえかなーと求人誌をパラパラしていると、こんな求人がありました。

「ライター募集 弊社運営ゲームのシナリオを書いていただきます」

へえ、こんなバイトあるんだとググったところ、PBMを運営している会社だと分かりました。
実は以前からPBMというゲームの存在は知っていたので面白そう!と応募してみることに。
*ちな、PBMに参加したことはないです…参加費がお高かったので手が出なかったのでした。なので、「あるのは知ってるが詳しい内容は知らない」という状態でした。
そんな奴が応募すんなやって話ですが若気の至りということで…。

応募の連絡を入れると「履歴書と作品があれば持ってきて。会社が駅から離れてるから、駅で電話してくれたら行き方教えるよ」とのこと。
当時ネットでチョロチョロっと小説を載せてたので、それを持っていくことに。
最寄り駅で言われた通り電話。結構ややっこいしい道のりだったんですが、何とか辿り着きました。
ちな、当時はググるマップなんてないし携帯も持ってませんでした。
(今じゃ考えられないが2000年代初頭だと携帯持たない主義!みたいな人が結構いた)
よく辿り着けたな自分。

そんなこんなで近くまで来たんですが…それっぽいものが見つかりません。
住宅街のど真ん中で、周囲にあるのはマンションと家ばかり。
番地は合ってるのに…とウロウロしてたら。
ありました! 小さなビルの一室を事務所にしているようで、郵便受けに社名が。
入り口で面接で来たことを告げ、入室。

事務所っていうか仕分け場でした。
狭い室内に所狭しと並べられた棚。そこに入ってる大量の封筒。
忙しく郵便物を棚に整理する社員さん。
以前郵便局の仕分けバイトをしてたことがあるんで「まんま郵便局じゃねえか」というのが第一印象でした。
流石PBMの運営会社だなー…と感心しつつ面接に。

面接はなんかすごい特別なことが!ってわけでもなく。

  • PBMに参加したことある?

  • 好きな作品ある?

  • ライターは正直給料安いよ。

  • ゲームの関係上半年~1年ぐらいは続けてほしい。

  • シナリオの打ち合わせもあるので出てほしい

といったことを言われました。
就職が決まってた関係で1年はちょっと…ということで、残念ながら受かりませんでしたが、運営の裏側(の一旦)を見れたのはそれだけで貴重な体験でした。

あとで知ったのですが、こちらの会社はPBMでは結構有名どころだったようです。
あの小さいビルの一室から、ギュウギュウ詰めの棚に、これまたギュウギュウ詰めで入れられた封筒から、全て人力で仕分け・発信・運営されていたと考えるとなんだか「大きなシステムをみんなで動かしてる」という感じでワクワクしますね。

PBMは今やWebに移行し「PBW」となっています。
自分も、似たようなゲームにいくつか参加してます。
確かにWebの方が圧倒的に便利ですし、速報性も双方向性も郵便とは比べるべくもありません。
でも、あの運営会社での一時を思い出すに、郵便や紙媒体にもそれ特有の良さはあるよな…と思う次第です。

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