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#風ハミ一緒 誰も彼もがあの人を求めていた一日

2024年4月27日。奇跡的に「ワビサビ先行」でチケット当選し、ぼっち参戦ですが行ってきました「風のハミング よければ一緒に」。動機はもちろん、今回の風ハミがKANちゃんを思い出すライブでもあるからです。

実は風ハミは初参加だったので、事前に参加経験のある方がXに投稿していたいくつかのアドバイスをチェックしつつ荷造りしました。雨に見舞われやすいこのライブ、過去は大雨になって「滝行」だったとも知ったので、ポンチョとレインブーツを新調。滝行とは言いえて妙な…。

インデアンカレーを阪急三番街で食べたかった

新幹線で新大阪についたらすぐさま御堂筋線に乗り換え、梅田の阪急へ。インデアンカレーを食べるためです。

ここのカレーは初めて。東京にもお店はあるんだけど阪急三番街のお店で食べたかったんです。KANちゃんが好んで食べたお店で。

普通盛りの卵入り、ピクルスは大盛り

いやぁ〜旨い、すごく旨い。で、甘い、でも、辛い。

https://www.kimurakan.com/restaurants/shop/r_osa001.php

ほんとですね。今これを書いてる間も反芻しちゃう。近い内にもう1回食べたいと本当に思いました。この味が好きだったんだね。

本町から靭公園へ

かなりお腹いっぱいになったところで、本町へ移動。Xで投稿されていた地元民の方のアドバイスで、駅に着いたらすぐに地上へ出て歩くことにしました。

そしたら、あららら、まさかの小雨ですよ。予報は曇りではなかったか。傘を取り出しGoogleMapに頼りつつ靭公園に向かいました。やっぱり雨は降るのかこのイベント……。

小雨の靭公園入口

靭公園に着いた後、すでに大行列となっていた物販列に並びました。この間、リハ中の「靭のハミング」が聞こえてきて、その声でゲストの一人がわかっちゃいました。野外ライブあるある。

場所はJエリアで、ストレスフリーな席でした

座席に行く前に、入口すぐにあったタワレコさんの物販を見ていたら、スタレビや馬場さん、KANちゃん以外のアーティストのCDもあり……これはまさか……とシークレットゲストのメンバーである予感がしてしまったのですが、この予感は大当たりするのです。

座席について開演時間が近づくと、要さんの声で「ピンポンパンポーン」と!会場内、一気にテンションアップ。あわせて馬場さんが会場内での注意事項を話します。

馬場さん「カメラ付き携帯電話、スマホ、スマへ、……」

馬場さんがこれを読み上げるなんて!という笑いが会場内に上がりました。そう、KANちゃんのライブ前アナウンスのフレーズです。途中、カミカミでミョーな間ができたりして、また会場内から笑いが。

さらに馬場さん、この後「会場外でTシャツやパーカーを販売しています」とアナウンス。はて、売ってないよね…?と思っていたら数分後、馬場さんが「誤報です」と、訂正アナウンスしたのです。

アナウンス内容のカンペを用意してなかったのか、それとも初めから馬場さんのアドリブ(そして失敗)だったのかわからないですが、お茶目すぎる!

馬場さんのEP7を購入。「田舎のミックジャガー」良い!

「吉野天狗」があらわれた!

いよいよ開演。

今年の風ハミの始まりを知らせる音楽は、なんとこちらのメヌエットでした。

これだけでもう涙ぐんでしまったのですが、すぐに引っ込みます。赤いハッピを着た要さんと馬場さんがステージに登場。セリフがたどたどしい2人の小芝居、グダグダで面白すぎでした。

さらに後から登場したのは、佐藤竹善さんと杉山清貴さんの「鞍馬天狗」。この2人も青いハッピを着てます。「鞍馬の山奥から出てきた」という設定で、見ているこちらが笑いを堪えられなくなる小芝居が展開されました。「杉山さんとの初共演がコントだなんて」と竹膳さんは嘆いておられましたが、いや、最高だったのでは?

KANちゃんの曲を大切に

さらなるシークレットゲストは槇原敬之、トータス松本のおふたりでした。タワレコの物販で売られていたCDはこの2人のものだったんです。

これはあとから気づいたのですが、入口でもらったフライヤー類はゲストの皆さんのライブ案内ばかり。開演前にフライヤーを見てゲストが誰だかわかってしまった人も多かったようです。うへ〜。次回(あれば)からは物販とフライヤーは見てはいけない……。

いずれにしても、個人的にマッキーやトータス松本さんの生声を聞けるなんてと感激しまくりでした。マッキーが歌うは「言えずのI LOVE YOU」トータスさんは「いつもまじめに君のこと」。ふたりとも、まるで持ち歌を歌うかのように素敵に丁寧に、彼ららしく歌っていました。

今回の風ハミでは各自がKANちゃんの曲を1曲、自身の歌を1曲という流れで歌ったのですが、誰も皆、本当に丁寧に、大切なものを扱うように歌っていたと思います。KANちゃんの声じゃないという違和感はもちろん持っていました。持っていましたけど、大切に扱っていることも同時に感じたのです。

杉山清貴さんが「すべての悲しみにさよならするたびに」を歌った後、「本当にこの曲が好き」と笑顔で話してました。こうして文字にするとベタな褒め言葉のようですけど、本心から言ってることが感じられました。どこか寂しそうな風にも見えましたが。

そして、馬場さんがまさかの「エンドレス」を熱唱(ハラショー姿)、アメフト風シャツを何着も着替えるなど、今回特に活躍してました。勝手ながら功労賞を差し上げたい。これ、映像でもう一度見たいくらいです。後日公式で写真が上がるだろうか。

こんなふうに誰もが現在進行系でKANちゃんを欲していて、思いを音楽に込めていたことがひしひしと感じられたライブでした。

そのことをポストしたら230以上もいいねがついて、やっぱり皆さん同じことを思いましたよね、とうれしくなりました。

「心の区切り」

ライブ終盤では全員で「よければ一緒に」「愛の歌」そして「愛は勝つ」を歌い、見ているこちらも涙が止まらなくなったり、楽しくなったりとごちゃまぜな感情になっていたのですが、本当に驚いたのは、最後に要さんと馬場さんだけがステージに残ったあとのMC。

すでにいくつかのWebメディアでも伝えられていますが、馬場さんも心の区切りをつけられてなかったと、涙声で吐き出すように話始めてました。

「病室で最期のお別れをさせてもらったり、お通夜や告別式に出て、KANさんが火の中に入っていくのを見ているにも関わらず、まだ出てくるんじゃないかなと…ラジオの収録をしていても、ドッキリでふらっと出てくるんじゃないかって思って」

身近にいた人でさえそう思っているのだから、ファンは受け入れられないのでは、といったことをおっしゃいました。そして、

「今日で区切りがつくなら、明日からまた違う気持ちでKANさんの音楽を楽しんで一緒に歩んで行けたらと」

このMCを聞いたときにいろんな思いがめぐりました。ああ、要さんや馬場さんはそこまで見送ったんだ、なのにまだ受け入れられてなかったんだと。

これまでは要さんと馬場さんが病室に行ったこと、葬儀では遺影が例の夏目漱石だったこと、振袖写真のこと、葬儀なのにみんな笑って話してたということはラジオ等で聞いて知っていました。でも、火葬場までついていくのは一般的には親戚まで。本当に身内同然の扱いだったんですね。そして、そんな話を風ハミの場で話し出すなんて。後から別のラジオ番組で聞いたところ、馬場さんがこんな話をしだすなんて、要さんは思ってもみなかったようです。

いずれにしても馬場さんも要さんも区切りなんてつけられてなかった何よりの証拠でしょう。そんなことを感じて、腹落ちしたというか、少し落ち着いた気がしました。

そして、要さんも馬場さんも他者への想像力と共感力がすごい。人として大事なことですよね。そういう人たちだからKANちゃんも長く深くお付き合いしてきたんだろうな。

開演中、空にはカラスや鳥たちが集まっていたり、アゲハチョウが飛んでいたり、ハチ?アブ?もいたり(ちょっと恐かった)。アゲハチョウはKANちゃんだったのかな、とつぶやくXのポストをたくさん見つけて、考えることは皆同じだなと心が温まりました。

私自身はKANちゃんのライブに行けなかった、リアルタイムで追えてなかったことの後悔を今も抱えていて、風ハミへの参加もKANちゃんの姿を追うようなものでした。まだまだ私はメソメソしながら、KANちゃんの人生と37年分の音楽をこれからも追い続けていくと思います。

人は忘れられたときが本当の死なのだそう。ならばそんなことはKANちゃんには訪れないでしょう。



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