心のありか

前回の「心のありか」が納得いかなかったため口語詩で再投稿いたします!



きみの心はいづこ。
我は喉の真下五寸、時に喉の真上十寸。
下には打ち鳴る血の流れ、上には内なる思い、稲光の如く駆け巡る。
喉には二つより抽出せる気持ち音になる、風を食み音を出す。
それを声といふ。
それも時に偽物。
隠せるつもりか、向かふ際に透けて見えたるぞ。
真実さながらに語れど瞳の向かふ際に本音透け見えたり。
きみはすりガラス。それに心付きし我は自心過剰かな。
今きみの心は目の奥なり。

口は嘘 瞳の語る 真実に 心のありか 探し出すかな 

解説
解説
喉の真下五寸はすなわち心臓、真上十寸はすなわち脳。二つとも人間の生命に欠けてはならない主要器官で時折「心」と表現される。「打ち鳴る血の流れ」とは拍動で送り出される血液である。「内なる思い稲光の如く駆け巡る」とは脳の解剖学的機能を表現しており、電気信号が脳の細胞を駆け巡ることにより思考が生まれるということである。それら二つの心から喉で音が出来、口から声が生まれる。しかし、その声も時に偽りを示すことがある。大抵そんな時は瞳の奥に本音が透けて見える気がするのだが、それは自意識過剰なだけかもしれない。そんな多様な「心のありか」を詠っている。
最後の行には口語詩から抽出した短歌を添えてあります。

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