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山村留学とか離島留学とか移住とか検討したことありますか?

先日こちらの記事を拝見しました。

娘と都会の小学校生活にボロボロになっていた時、私も移住を検討したことがあります。

現在の居住地の現状。それは年々高まる中学受験熱、しかもスタートは早い方がいいと小1から煽られる。先日見たポスターは幼児期から煽ってました。習い事もみんな熱心で、ピアノにバレエに塾にそろばん…。少子化が進み、一人っ子率が高いので、一人の子どもに愛情、時間、そして経済力という育児三資源を集中投下するという状況です。

ただでさえ家賃が高い中、これでは稼いでも稼いでも「もう充分」とか「満足」と思える天井が見えない。自分の理想とする育児観とのズレや、娘の特性との不一致で息苦しかった。

ここまで一人っ子率が高くない地域で、中学受験を煽られることのない地域で、娘の良さを生かしてのびのび育てることができないものか。

自分で言うのもなんですが、私はけっこう行動力がある方なので、実際にとある自治体の移住検討ツアーのようなものにも二つほど参加しました。

一つは島根県です。「しまね留学」って聞いたことあるでしょうか?

島根は寮を持っている高校が多く、全国から生徒を集めています。しまね留学生から東大の合格者が出た、と話題になったことも。

小学生から受け入れてくれる学校もあります。実際に直接の知人ではないのですが、近所の方がしまね留学中。自らの意志で旅立ち、たくましく学生生活を送っているそうです。

私も娘二人を連れてとある小学校に見学に行き、子供達が生き生きと学校生活を送っている様子や、自治体による手厚い学習サポートに触れてきました。都会と地方の子ども、一番の大きな違いはなんだろうと考えた時、それは「挨拶」でした。子どもが元気に挨拶をするのです。

それから行事でしょうか。都会の学校は、近隣との騒音問題と切っても切り離せません。娘の学校は近所の方からの騒音のクレームがたくさん来ていたそうです。

地方の学校の運動会は、地域の行事、だそうです。地域の人がみんな集まる。「音が小さいぞ、もっと大きくしろ」という声はあれど「うるさい」という声はない、とおっしゃっていました。

もっとも地方はパラダイスではないでしょう。デメリットもあります。私は地方に祖母がいて、たびたび帰省するのですがそのたびにうんざりするのが隣近所の情報が全部筒抜けなこと。

噂話が広まるスピードは光通信より早い。とくに今回のコロナ禍ではそれが如実に現れました。感染者が立ち寄った場所の情報が子細に語られ、そして感染者への嫌がらせもありました。

また、一部の地元民はよそ者を排除します。これも祖母の地元で実際に起きていることで、私も話を聞いて心底うんざりしています。

結論としては、我が家は移住を諦めました。

理由の一つは仕事です。地方と東京、あまりに賃金格差が大きかった。地方が家賃は安いとか教育費が安くなるとしても、それでもモチベーションが削がれる金額でした。

もう一つが夫です。夫はどうしても東京での仕事を辞めるという決心がつかなかった。ならば夫と離婚して私と娘二人で移住を、とも考えたのだけれど、当時あまりに大変すぎるASD&ADHDの娘を一人で育てていく自信がなかった。夫はいても役に立たないワンオペだーといつも書いているけれど、それでもたった一人で育てていく勇気はわかなかった。ましてや地方に母子だけで行ってどんな目で見られるだろうかとも不安だった。

そうこうしているうちに子どもは大きくなっていき、子供が東京を離れることを嫌がるようになりました。

あの時強引にでも移住していたらどうだっただろう?と考えることもあります。

というのも、私も周りはUターンで地方に帰って行った友人が多いからです。というか、大学時代の地方出身の友人とかママ友とかほとんど地方に帰って行っちゃった。

地方生活と都会生活はトレードオフで、得るものもあれば失うものもある。それでも友人たちはたくましく、ブレない価値観をもって地方で子育てをしながら仕事もしています。

そんな友人たちを見ながら、あぁ人生を変えるタイミングを逸したかもしれない、と思うことは今でもあります。

入院を進められるほど大変だった長女は今、壮絶な登校渋りや不登校、数々の問題行動を経てなんとか中学校生活を送れています。友達もできました。

でも決して学校が好きではありません。昨日も今日も「学校行きたくない」と言いながら、「でも内申のため」と自分に言い聞かせて毎日登校しています。

東京は高校受験も大変です。「今は完全中高一貫化が進んでますよ。高校から募集する私立少ないですよ。だから大変ですよ。」と煽られます。

だから今でも私も娘もちょっとずつ疲弊しながら東京で生きてます。

東京に住んでいていいこともたくさんたくさんある。美術館、博物館の数の多さ、イベントの数の多さ。学校や習い事の選択肢の多さ。よくも悪くもドライな人間関係。ずっとこの環境にいるから、なかなか捨てる決心がつかなかった。

もし、地方に移住を検討しているならば、子どもが小さいうちならよかったな、と思っています。まだ小さくて親も若くて勢いがあるうちにえいやって行って、失敗したらあーダメだったねーと帰ってくるような。

一度でいいから私もえいやって思い切った行動に出てもよかったかもな。

でももしかしたら長い人生、大きな動きがあるかも?と思いながら今、地方でも都会でも生きていけるよう資格の取得を目指して少しずつ動いています。



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