#98 食べ物から考える社会とのつながり-エシカル消費-

#食と農と風景 #エシカル消費 #日本農業新聞

#事例ニュース
では、「持続可能な農業」に関連する事例やニュース・記事を取り上げています。

・・・・・・

今回は食べ物と「エシカル消費」について。

食べ物を買う時、どんなふうに選んでいますか?値段や産地でしょうか?何か自分なりの選び方、ありますか?

「持続可能な農業」の普及のためには、持続可能な商品を積極的に買うという方向へ消費の価値観を変えていくことも重要な要素です。今回は日本農業新聞より、「消費」に関する記事2本を紹介します。

一つ目、8/9の「エシカル消費」に関する記事

二つ目、8/8の「持続可能な生産と消費を目指す”あふの環2030”プロジェクト」に関する記事

 ・・・・・・

エシカル消費

エシカル消費とは、「社会や環境に配慮した消費行動や、課題解決に取り組む事業者を商品の購入で応援すること」(記事より引用)で、フェアトレードやオーガニック食品(エコ関連商品)などが該当する。

消費者庁の意識調査(2019年度)では、「エシカル消費」に興味を持つ人の割合が約6割に上り、2016年度調査の1.6倍であったそうだ。

ただ、エシカル消費に対応する商品を買いたい人は8割いるのに、実際購入したのは4割にとどまっており、購入したくない理由は「価格の高さ」「本当にエシカル消費につながっているか分からない」が上位だったという。

・・・・・・

ここからはあくまでも私個人の意見だが、

「本当にエシカル消費につながっているか分からない」というのは、売り方だけでなく、消費者のエシカル商品や認証ラベルに対する知識が浅いことも関係しているだろう。

日本では、オーガニックや動物福祉に関して、子供の頃からの教育がほとんどされていない。一方フランスでは、小学校低学年向けの動画で、有機農業は自然と調和した農業であること、化学肥料や農薬を使う農業は環境に良くないということが説明されている。

食べ物の選択基準に、安心・安全や、健康に良いといった利己的な視点だけでなく、自然環境や社会に良いという利他的な視点もあるということを子供のころから知る機会を設けることで、大人になってからの「エシカル消費」への意識に結びつくのだろう。

消費者一人一人が社会を変えることは難しいが、消費者全体の意識が変わるように大人も子供も、「エシカル消費とは具体的にどんなことなのか?」について知る機会が増えればいいなと思う。

持続可能な生産と消費を目指す”あふの環2030”プロジェクト

このような動きは、SDGsとも関連して少しずつ始まっている(以下の記事参照)。農水省や民間企業、団体が参加する「あふの環2030プロジェクト」では、9月17~27日を「サステナウィーク」とし、国内の農業生産の維持に向けて「持続可能な生産・消費」を呼びかけるという。

・・・・・・

消費行動に意識的になることで、日常生活も楽しくなる(私的感想とつぶやき)

以前から、エシカル消費をしている人とミニマリストにアナロジーを感じていた。私はミニマリストの考え方が好きなのだけど、その理由の一つに、ミニマリストの消費行動に対する意識の高さが挙げられる。どんな理由で、どういうものを買うかということを考えて、それぞれの基準や価値観を明確にし、それらを「モノを減らして、よりよい、好きなものに囲まれて暮らす」という消費行動を含めたライフスタイルによって表明しているからだ。

私はもともと「環境負荷と農業の関係」や「ワインなどの土地固有の食品」に関心があり、「オーガニックワイン」や「伝統製法、固有種にこだわったワイン」を買うことは、自分の楽しみだけでなく、私自身の価値観や意志を表明しているという側面もある。ミニマリスト的消費もエシカル消費も、自分の立ち位置・価値観を考え定めて、その価値観に従った消費行動をとる点で同じではないだろうか。

・・・

どんなものを食べるか、着るか、といったことに関しては、多様な考え方・価値観があるから、どれが良いとか悪いではない。しかし、無数にあるものの中からなぜ自分はそれを選んだのかということを、いつも意識していたいと思う。

何より、こういう消費の仕方をすることで、社会の見方が変わり、自分を取巻く社会がどういう仕組みで動いているのか、どうやって付き合っていったらいいのかということに興味が湧くようになる。私の場合、日々買い物をするスーパーでも面白い発見がたくさん見つかって楽しい。

消費行動に意識的になることは、日常生活を楽しむことにもつながるのだ。

おまけ

エシカル消費に関連する過去記事↓


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?