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天気の話と今日お休みですか?の話

「雨降ってなくて良かったですねー。」

どんよりとした天気のある日、個人懇談のため小学校に向かった。
駐車場から校門に向かって歩き始めると、同じタイミングで着いたママさんに歩きながらそう話しかけられた。

私は人の顔と名前を覚えられない。天気の話も苦手。

長女はもう五年生になるのに、同じクラスの子どもも親も顔を覚えているのは片手で数えられる程度。その年の役員さんの顔も分からない。

子どもと出かけた先で親子に出会って挨拶されて「こんにちは。」と返しても、後からこっそり「さっきの誰のママ?」と聞く。そして聞いたところですぐ忘れる。

登校班の子どもと親も覚えていない。
よく遊ぶ子と親はなんとか覚えているが、三年生の長男より下の学年はもう分からない。

そういう話を数少ない友人にしたところで「あるよねー。」と言われるが、同じではないと思う。

なにしろ絶望的に覚えられないのだから。


以前働いていた職場でもそうだった。

同じ部署の人は名簿が手元にあったし、シフト管理をしていたのでなんとか覚えられていた。

しかし他部署の人は顔は見たことがあっても名前も部署も分からない。
ロッカールームは全部署の人が同じ部屋だったので、他部署の人と同じタイミングになることもよくあった。

「おはようございます。」とだけとりあえず挨拶するのだが、身支度していると向こうから話しかけられる。
「今日は寒いですねー。」「やっと晴れましたねー。」
これにどう返すのが正解なのか、、。

着替えている相手の方を見ることは躊躇われるので、そちらを見ることもできず、誰と話しているか分からないまま、話題も思いつかず、「寒いですよねー。」と、オウム返ししかできない。身支度の間の数分の話を広げられないまま終わる。

天気の話は苦手だ。


「今日お休みですかー?」

これも苦手。
休日に職場に買い物に行くと言われる言葉。

(そうだよ!)と思いながら、「そうなんですー。」
これ絶対正解じゃないなと思いながらそう返す。



冒頭のセリフになんと返したかやっと思い出した。
「傘持って来るの忘れたので良かったですー。」

穴があったら入りたい!!

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