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奥能登国際芸術祭に行ってきました

奥能登国際芸術祭2020+に行ってきました。

瀬戸内国際芸術祭や大地の芸術祭越後妻有アートトリエンナーレなど、3年に一度開催する芸術祭には何度か足を運んでいます。

私が芸術祭が好きなのは、アート作品はもちろん、地域の人との触れ合いと、そこにある文化を感じることができるからです。作品はアーティストがその土地の物語などをヒアリングし、そこから作品を作っていきます。

奥能登国際芸術祭が開催されていた珠洲市は石川県でも能登最先端です。金沢から車で2時間半かかるので、県内の人でも用事がなければ、なかなか行かない土地です。

作品の展示は、廃校になった校舎、保育園、廃線の駅など過疎になって廃止になった施設に展示されています。昔はたくさん人がいて、こんな場所にも学校があったんだな、と時代の流れと過疎化を目の当たりにします。美術館では味わえない、その土地の事情に、考えさせられるものがあります。

芸術祭はそのような場所を盛り上げる意味でも開催されているので、普段目にしない現実を同時に突きつけられます。今回の奥能登芸術祭は、石川県内の家族連れが多く、ご年配の方から小さい子供までいて、こんなにこの場所に人が集まるのはいつぶりなんだろう?と感じました。とてもにぎやかで地元の人たちの嬉しそうな顔も同時に見ることができました。

作品は現代アートに分類されるので、「よくわかならない。」とコメントする人も多いです。昔、現代アートを見たことがない人たちと現代アートを見に行く会を開催したことがあるのですが、そういうコメントが必ず誰かから出ます。

そういう時は、「アートは自由なんだから何を感じてもいい。きれい、楽しい、不快、よくわからない、何でも感覚で自由に、正直に感じるのが大切。」とお伝えしています。私自身、アートが好きなのは自由を感じるからです。

ここからは、私のおすすめ作品。

山本基「記憶への回廊」

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作品は塩でできています。このアーティストは塩で毎回作品を作っていて、作品撤収時には塩を海に返すワークショップを開催したりしています。

塩田千春「時を運ぶ船」

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この作品の部屋には、運が良ければ「塩田さんがどうしてこの作品を作ったのか?」を歴史と共に熱く解説してくれるおじいさまがいます。4年前にもいらっしゃって、今回もいらっしゃいました。このような地元の方との会話が芸術祭の楽しみの一つです。

4年前にもこの芸術祭に行っているのですが、そこからの変化を一番感じたのが道の駅のお土産売り場でした。4年前より揚浜式の塩がお土産として種類が増えたのですが、パッケージが全て都会的なデザインになっていて見分けがつかなくなっていました。「昔買った、あのお塩はどのパッケージになったの?」とわからず、買わずに帰ってきました。

その時に、きれいにするのは良いけれど、それで個性をなくしてしまっては周りに埋没してしまう。そして本来持っていたいいものが見えなくなる。と感じました。自分も無意識に「きちんとすること」に意識が向きがちなので、埋もれさせないように、と言い聞かせています。

最後に、タロット練習会でこの旅行(帰省)について占っていただいた皆様、ありがとうございました。とても有意義な時間で行ってよかったです。


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