緊急事態宣言やっちゅうのに、乳がんと言われましてん。006

ふぅ〜、今は暇だぁ。なんで暇かというと、骨シンチの検査待ちなんです。
要するに、骨に転移がないかを診るための検査。乳房にいちばん近いのは、やっぱり肋骨ですからね。その次が右なら肝臓、左なら肺。
よく言われるリンパ節は、乳がんの好発部位（乳房を4等分カットしてみて上部外側）に近いですが、必ずしもリンパ節が真っ先に転移対象になるというわけではありません。
骨シンチは、検査の4時間前に静脈注射をします。骨を撮影するための薬剤です。それが浸透するのに時間を要するので、待ち時間の今はすごく暇です。だから、川べりの公園の木陰のベンチに座り、時間が来るまでこれを書くことにしました。
ということで、前回の続きです。

診察が始まったのは、予定の12時30分を回って13時前くらいだったか。
乳腺外科部長の御前である！控えおろう！……とはならなくて、これまで検査していた先生とは違って、柔和なお顔の仏様みたいな先生。
4月15日に同じ病院で撮ったMRIの画像を見て、「ああ、確かに右側のこの辺に、がんみたいなのがあるね…」
それで、ひと通り乳がんについての説明を。ルミナール陽性・HERS2陽性・トリプルネガティブ…私は予習していたので（失礼ながら）多少流し聞きしても理解できたけれど、話を聞くのが得意なはずの旦那は、妻が乳がんということで恐れみたいなのもあるけど、自分の知らない世界の専門用語は何のことかチンプンカンプンだったようです（と、当人が帰宅後に言っていた）。がんの治療についてどういう経過をたどるかの説明もしてくださいました。そして、祖母・母と乳がんになっている話をすると、こう切り出したのです。

「あなたのは、遺伝性の疑いがありますね。お祖母様お母様と乳がんということなら、保険が効きますので遺伝子を調べさせてもらっていいですかね？」

遺伝子検査。

遺伝性乳がんである人の多くは、BRCA遺伝子に変異があります。
通常、細胞に与えられた刺激でDNAがこわれたとしても修復できるので、めったにがん化することはありません。がん化したとしてもわずかで、体内の免疫機構で退治できます。
しかし、BRCA変異があると、その修復機能が働かないのです。それによって起こるのは乳がんいちばん多いのですが、他にも卵巣がんも他の人に比べると何倍ものリスクがあります。さらに恐ろしいのは、あの膵臓がんのリスクも高まることです。通常なら膵臓がんのリスクは2％程度ですが、この変異を持つ人は最大7％にまで跳ね上がります。他にも男性なら前立腺がんのリスクが高く、稀に起こる男性の乳がんも、多くはこの変異によるものです。（ちなみに、男性で乳がんと診断された人も、遺伝子検査には保険が適用されます）
この変異があると、再発も珍しくないので、予防的全摘手術（将来がん化する可能性を考慮して乳房を全部取ってしまう）も保険適用されます。

その話を聞いて、ふと思いました。

もしこの検査で陽性が出たら、オッパイとおさらばできるかもな？

実は……筆者は長いこと、自分の巨乳に苦しめられました。合うブラジャーがなかなか買えない、買えても通常より高いのは当たり前。合うブラジャーをしたところで、少し激しく動くとゆっさゆっさと揺れます。それに、胸のせいで諦めた服がいくつもあります。他の寸法はLでいいのに、胸のせいで2Lなんてこともよくある話で、しかも、この服いいなと思ったのに限ってMサイズしか残っていないなんてしょっちゅうです。
「男にもてるでしょ？」と言われるけど、巨乳に惹かれてやってくる男なんてろくなのがいない。むしろ、ふたりの気持ちをしっかり重ね合わせることができるのなら、胸の大きさなんてどうでもいいのです。
他にも肩こり、巨乳による体重・体脂肪率増など、ハッキリいいましょう！

巨乳はデメリットしかありません！！

巨乳はデメリットしかありません！！

大事なことなので2回言いました。（古い）
とにかく、巨乳であることで収入を得ている人以外には、生活上なんの得もありません。胸に抱えた巨大な荷物2つ、それがもし爆弾だとわかったら、いっそのこと、全部取ってしまおう。そのほうが、私の好きなミリタリーファッションや、作業着スタイルが見栄えするしね。

巨乳からの解放！　 I'll be free from huge breast!!

旦那は、私がとにかく本当の私でいられるようになってほしいと願っています。だから、ヨメが自由になれるなら、いっそ全摘してしまえという勢いで、先生に話していました。

……ね？　胸の大きさなんて、どうでもいいでしょ？

また長くなってしまったので、ここで一旦止めて、つづく。