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人間ヴェルディ

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彼の音楽と人生、そして その時代
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人間ヴェルディ: 彼の音楽と人生、 そして その時代 (17)

著者:ジョージ・W・マーティン 翻訳:萩原治子 出版社:ドッド、ミード&カンパニー 初版 1963年 第二部 ヴェルディアン・オペラ確立期 ヴェルディがミラノに戻った1848年4月頃の、政治的攻略の駆け引きは苛烈で、深刻だった。「あの5日間」中に、マンゾーニを含むミラノの政治的リーダーたちは、ピードモント王国のカルロ・アルバート国王へ援軍要請の嘆願書に署名をした。それは現実の中、常識的な方向だった。ラデッキーの軍をミラノから追い出したといっても、その存在が消えたわけでは

人間ヴェルディ:彼の音楽と人生、そしてその時代 (4)

著者:ジョージ・W・マーティン 翻訳:萩原治子 出版社:ドッド、ミード&カンパニー 初版 1963年 第一部 目次 第4章: ミラノ市 ミラノ市はオーストリア帝国直轄王国の首都 ヴェルディが初めてきた1832年のミラノ市は、北イタリア地方で一番繁栄した、そして最も重要な都市だった。ロンバルディア・ベネティア王国の首都で、国王はオーストリア帝国の皇帝、フランツ1世だった。彼はミラノ在住の帝国総督を通して治世した。その高い格式により、ミラノはルッカ公国とか、近隣のパル

人間ヴェルディ:彼の音楽と人生、そしてその時代 (3)

著者:ジョージ・W・マーティン 翻訳:萩原治子 出版社:ドッド、ミード&カンパニー 初版 1963年 第一部 目次 第3章:ブセット町  その2 マンゾーニと彼の小説「許婚者」 ヴェルディは16才の時、マンゾーニの小説「許婚者」を読んだ。この本は彼に絶大な印象を与え、53才の時、彼は友人にマンゾーニについてとその時のことを、若いころの情熱を持って、手紙を書いている。「多分君も知っているように、私はあの作家に最高敬意を持っている。彼の小説は我々の時代の人間の頭脳が生み