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農業から考えるビジネス全般のコスト削減方法 -2-

おはようございます。昨夜から雨が降り続いています。私は農業関連会社の役員と農業法人の代表をしておりまして、農業法人では従業員を雇っています。勤務時間は5:30~12:30でなんですが、本日のような雨だと外での農作業を指示するのが非常に申し訳なく感じます。農作業は天気によって大きく影響されるので、農作物だけでなく、雇用関係にも大きな影響があります。

さて、昨日の続きです。コスト削減を考える際に、どの分野を削ったら良いのか、という点です。

私が考えるコストを削るべきところは、「無駄な省力化」に対して支払われているコスト、これは真っ先に削るべきだと考えています。水稲農業に置き換えて話をしてみましょう。

日本の水稲農業は人手不足や高齢化の影響により、肥料や農薬を使用することの省力化が進んでいます。この省力化について、方向性は間違っていないし、必要な方もいると思いますが、なんとなく勧められたまま使用している方が多い印象があります。例をあげましょう。

水稲栽培における肥料と農薬の使用として、肥料は元肥一発肥料(春先に肥料を入れて追肥をしない)、農薬は育苗箱処理剤(苗で農薬を使用して田んぼでは殺菌・殺虫剤を入れない)水稲用除草剤はジャンボ剤(投げ込み式で簡単に散布ができる)

少し専門的な内容なので簡単に書きますが、要は1回の作業で全てを済ませよう、という考え方です。この考え自体は間違いではないのですが、この省力化技術に対するコストは肥料代・農薬代に重くのしかかってきます。これに気がついていない方が多い。同じような効果が得られるように肥料・農薬を設計してコストを試算すると、おおよそ10a当たりのコストが¥4,000~¥5,000は変わってきます。水稲栽培で10ha(10a × 100)栽培していれば、¥400,000〜¥500,000は変わってきます。面積が増えれば増えるほどメリットは大きくなりますね。

という話を、農業においてドローンを活用するにはどうした良いか、という講義の中でいつもお話させていただいております。改めて栽培方法を元から見直してみることが必要です。管理技術で抑えられることは技術でカバーする。肥料・農薬を削ってはいけない部分を明確に意識する。農業経営においてはこれが非常に重要な考え方です。

さて、農業以外の仕事や事業計画を見直すときに、この考え方は重要です遅効的で見えにくいが重要な部分(未来に活きる活動)と、即効的で見えやすいが他の手段で代替できる部分(無駄な省力化)、というのを洗い出すことで、削るべきコストが見えてくるのではないか、と思います。

まとめます。「未来に活きる活動」は削ってはいけない。「無駄な省力化」コストは削っても良いでしょう。では、また。

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