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ある種、一線を超えたゲーム。

 まず最初に謝っておきたいのは、スーパーマリオ3Dワールドにおいて1P優位というのは間違っていたということである。正確には、ちゃんと先に行った者優位ということになっていた。

 これはなんでいまさら気づいたかというと、まず基本わたしは娘を追い越そうとすると怒られるからである。わたしが置いていかれてペナルティをくらおうとわたしは文句ひとつ言わないが、娘は死ぬほど文句を言う。だから、そもそも基本の行動的に、1Pである娘を追い越すということをしてこず、1P優位というバイアス状態になってしまったのだと思う。ごめんなさい。でも不満があるのは確かで、それがじゃあどうすればいいんじゃと言われると、いやちょっと今はそういうの考えたくないです。素直にただ不満だけ言いたい。うえーん。

 話は変わる。

 昨日は実は娘の部屋にベッドを置く必要があって、その為に部屋を大掃除する必要があったのだが、その掃除に娘が居合わせると正直掃除どころではないため、わたしが娘を長時間外に連れ出すこととなった。

 メインコンテンツは「ワッチャ・プリマジ」。女児向けのアーケードゲームであるが、このゲームの一線の超え方がすごいと思っている。

 通常の創作コンテンツ全般にだいたい共通するのは、盛り上がらせて、盛り上がった、つまりゲームとして一番ウリになるところをしっかり体験させるというところであろう。しかしワッチャは違う。一番盛り上がるところに持ってくるのは、感動的な世界観の体験や物語体験や音ゲーとしてのカタルシスではなく「投げ銭」を要求するのである。何かというと、曲が最高潮に盛り上がったタイミングで、アイテムを表示し、それが持っていないものですよ!さあここで100円を入れてください!っていうのを3連続でやらせるのだ。

 これには驚いた。勘の良い方ならピンとくるだろう、これはある種スパチャ体験のようなものであり、そしてある種通信販売のようなものである。体験させること、そのものを、「お金を入れてもらう」というところに全振りしている。その頃にはプレイヤーである娘の知能指数は下がりまくっていて、無条件で100円投入を要求してくる。ライブ体験が知能指数を下げるのは科学的に確か実証されてた気がするが、それを現代的に効果としてスパチャを取り入れてそれを商売に直結させたのは本当に凄い。ちょっと一線超えてる。

 なお娘がワッチャをプレイする際には自分のお小遣いでプレイしているので、親であるわたしからふんどっているわけではない。プレイをしに行く前に事前に財布の中に「本日のワッチャ代」として上限金額を設定して入れさせている。じゃないと期間限定イベントまでフルで行えば、1プレイ900円程度行くのではないか。やばい。

 個人的に、このゲームとビジネスが合体したようなデザインというか商法は、今後の子供向けアーケードゲームではスタンダードになるんじゃないかと感じている。そして長く続いたいつの日か、それが行ききったどこかで世論の反発を受けて急激になくなっていく、といった感じを幻視する。

 その後は娘とは、ゆるゆるとレトロゲーや音ゲー、最新筐体のアニメ原作ゲームを一緒にプレイしたりして、かなり長い時間を過ごすことができた。ワッチャは圧倒的例外として、意外とゲーセンってコスパ良いんだよなぁとは個人的に良く感じる事だ。何で遊ぼうかと吟味している時間の方が、意外と長かったり、あとそこまで散歩というか、移動する間だって時間を使っているからね。

 あ、おやつというか、食事をセットで考えれば、だいぶ割高ではあるが……。

 かくして、娘のベッド搬入のための大掃除作戦は完了し、家では妻が家をピカピカに整理してくれて、翌日には娘のベッドが搬入され、この件は幕引きとなった。

 わたし自身、ゲーセンでお金を使って遊ぶということがなぜかとても楽しかった。なぜだろう、100円も入れて1プレイ遊ぶのにも関わらず、とてもエキサイティングで、価値のあるもので、気持ちのいい体験ができたと感じられるのは。娘も大満足だったので、今後もまたこういうのも良いかもしれないとは、純粋に感じた。

 なお娘のベッドには、娘自身の要望による天蓋……ニトリの商品名としては「蚊帳」となっていたが……が設置され、本人はまるでプリンセスになったかのようだとご満悦である。

 気づいたら、流石にちょっと、疲れました……。

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