韓非子の帝王学 大切な人のため、再帰的にスポイルして社会を渡る
科学ってのは積み重ねであると。まあそういうのは好きよ。で逆に、哲学と芸術は積み重ねではないと。そうかな、芸術は結構積み重ねられるところもあるんじゃないかって気がするけど。哲学は不勉強で分かりません。ああその意味で言うと芸術も不勉強だけど、ほんの僅かに見てる限りは、って感じかな。
相手の欲求を掴む、あるいは、相手が何考えてるかを読めない奴は、今だったら使えないやつで済むけど、昔だったら暗殺とか毒殺とかバンバンいかれてたから怖いよな。いい時代になったもんだぜ。昔って韓非子の時代、とかもっと前ね。春秋戦国とか。
でも、相手が何を考えてるのか推測するとか、相手の欲求関心を見つけるって訓練してないとかなりきついんだよな。うーむ。
本の要約ってのがあって、それ自体はまあいいけど、本から情報を取ろうとしても意味ないからな。だってネットに書いてあるんだから、単に情報を取るなら意味ないし、半年前に読んだ本の内容思い出せんのかよ。一年前は?5年前は?忘れたら意味ないし、人間の脳は忘れるんだよ。だから単に情報をとって脳にストックしようって、意味わかんない無駄な行為だからな。何かのために、手段として何かを取り込む、ってのが読書の基本であって、もっと言えば、本に書いてある他人の理論を自分の言葉で書き直しまくって、自分の中にあるものと参照しまくって、最終的に俺の中に存在する理論が少しでも進めばいい、って作業だから、時間かかるし、サクッとできるようなもんではない。それこそこうやって書きながら俺の考えてぶつけ合わせてくもんだろ。本の内容が15分でわかる!ってのは、情報を取ることとしては素晴らしいかもしれないけど、情報を取るために本を読むこと自体がナンセンスすぎて、意味ないなと俺は思うけども。まあ別の目的で別の使い方があるのかもしれないし、俺には思いつかないような、あるいは今の俺に見えてない方法で使ってる人もいるのかもしれないなとは思う。完全な否定はしない。
捨象しまくって単純化して、それで理論を練って練り切ったら、そこからいろんなことを足して現実に近づけていける。最初は現実離れしたシンプルさから始めていくしかない。経済学とかそう。なんか、俺の理論もそんな感じなのかもな。俺個人から始まり、ある程度練って、そしたら次は体外へ何ができるか、今は、どうやったら他者の視点をトレースできるか。
韓非子が言ってることは、『人を動かす』と同じで、人は自分の利に向かって進んでいく。利っていうのは関心とか利益とか、欲しいもの。で、それに対してじゃあどうするか、っていう手段が、人を動かすはそれを掌握してその動きの中にうまく自分の利益を混ぜ込め、で、韓非子は好き勝手やらせないために注意を怠らず、法でガッチガチに行動を規定しろ、ってことになる。基本的な発想は同じで、あとはどのくらいシビアな状況かとか、何をしたいか、ってところに差があるだけ。根本的には、人間は自分の利のためにだけ動く、ってところで一致してるし、多分そうだと俺も俺を見てて思う。
相手の好き嫌い、利益不利益、そういうもんを把握して合わせるところからコントロールは始まる。なので、そういうのを伝えるなよ、いつも無表情で、何にも好き嫌いとか見せるなよ、むしろ相手のそれを読み取ることに努めろよ、ってのが韓非子が言ってることでまあそうだと思います。敷衍して。
俺がどうあるか、も重要だけど、それと同時に、周りを整えることも重要である。どんだけ力を発散しても、囲いがないなら無限に発散して0だ。囲いを。
遊説をするときに、相手の心を読み取ってそこにこっちの持ってるものを合わせるのが1番難しい、と韓非が言っている。難しいんだよな、やろうとしてることは。
相手をスポイルしろ。自信がなさそうなら褒めてやり、何か失敗したなら失敗じゃないよと、つまらないことをやめられないなら、それはやめなくていいんだよと。相手をスポイルしろ。俺がこれされたら嫌だけど、でも、嬉しいかもな。愚かな。
相手が求めることを、相手が喜ぶことを、相手が関心があることを、それをやっていけ。クソな社会を生きるためのなりすましだ。スポイルしてるとわかってやっていい。だって、そうでしか生きられないようになってるぜ、もう既に。
下らないスポイルの仕合い、自分がスポイルしてることにすら無自覚な奴らばっかりが集まって社会を作ってる。スポイルしてるじゃないか、って言ったやつから「嫌なやつ」ってラベルを貼られる。「社会不適合者」とかもある。ああ、もういいよ、わかった。スポイルしようじゃねえか。
俺は俺の大切な人たちを守りたいし、そのために社会でなりすますことには賛成だし、戦略的なりすましと、スポイルだ。相手の関心、興味、好き嫌いに合わせて、そうやって社会を渡っていく。大切な人を守るために。
こんなこと、2000年前から同じなんだな。クソだ社会は。人間はみんな、馬鹿で小心者だ。だから、それにみんなして合わせて傷を舐め合う。そういうもんだぜ、きっとどこまで行っても。俺だって。
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