小室直樹 努力しろ。あと、俺のことに対して損得計算するな

ついにここまできたか、というね。小室さんの出生の秘密だな。

敗戦、ってのが多分、すごくあるな。天皇がいて、そのためにみんな戦って、でも勝てなかった。それに憤りもしたし、でも復帰兵たちだって、天皇のために戦って、勝てなくて、悔しいし悲しくて、それでも日本に戻って天皇のために復興しないとって歯を食いしばってる。そういうのを見て、天皇のためってみんな真剣にやってきたのに、勝てなかった。そのどうしようもなさとか、悔しさとか、憤りってのは、小室さんにあったような気がするな。

自分が一回決めた意地を通すとか、決めたことを貫く、ってことに対する気持ちは学生の時からあったと。そうですよね。

酒は飲むが煙草はしなかったらしい。まあだから、酩酊が短すぎるよな。体への害がでかい割には。タバコは僕も好きじゃないです。

まあでも賢いと、俺が一番って考えになりますよね。最初はね。知らないからね。と思うけどどうかしら。賢いことに絶対的な価値がある、と思ってしまうのだけれど、そうでもねえな、ってのが徐々にわかる、って感じだろうか。

自分たちは敗残兵だから死んでいい。だからその代わりに、お前たちがアメリカをやっつけてくれ。そう言われて育った小室さんって、どう思っていったんだろうな。わからんな。壮絶が過ぎる。

自分には能力があり、それを大切な他者のために使わないといけない、って思想が当たり前にあるのがすごいけども、でも、それは周りから、お前ならできるってすごくいろんな恩をかけてもらったこともあるし、同時に周りと比べてあまりに能力が飛び抜けてたから、それに自分で気づくのも自然だったんだろうな。俺は小室さんほどの才があるかって言われたら、まあ、うん、明言はしたくないけど、でも、似てるところはあるなと。小室さんの方が早かったし、強烈だけどな。敗戦からアメリカにやり返せってところがもう最初からあるから。

かっこいいなあ。自分もほとんど金がないのに、小室さんがいった時に先輩は、すまないけど今俺もこれだけしかない。半分やる。返さなくていい。ってさ。他者に対して与えること。そしてその他者を応援すること、というか、なんだろうな、押し出すこと。それってやっぱ超かっこいいよな。恩義で回る世界ってかっこいいよな。

いいな、伝記とか読んでると、俺がどういうことに感動して、どういうことをやりたいんだっけ、ってことを思い出せる。なんていうか、それは国際法とか経済学を勉強してるのとは違って、人間のディスプレイだからな。

結局俺たちは本質的な価値観が似ている。他者に尽くす、というか、自分はどうでもよくて、むしり大切な他者のため、あるいは、重要な尊者のため、自分を駒として使っていこう、そういう発想な気がするんだよな。そこに至るまでは、自分の優秀さを誇ることに一杯一杯だが、大人になると、だんだんそれよりも、自分を使おう、って話になってくる。まあ飽きるからな。

小室さんは理学科で理学学生っぽくなかった。俺は教育学科で理系っぽく見えると言われる。まあそこは逆ですが。

コミュニケーションの蘊奥は、過剰な贈与と剥奪、そして恩義である。ただ、これを普通にやってると人間関係が社会ではできないので、ちょっと出して、踏み込めるなら踏み込むと。

努力家であれ。小室さんは、半端じゃなかったぞ。努力が。能力はあった。偉大なる能力があった。それでも、小室さんの努力は今の俺の比ではなかった。

先哲にひれ伏して、教えを受けろ。先人を仰ぎ見て、その功績を承り、謹んで発展させろ。その恩義を忘れちゃダメだし、もっと努力していかないと。

国家を双肩に担うのは、国民の何割かの一部の人である。目覚めたる者が手をたずさえて、国の護りにつかねばならない。

この思想に対して、申し訳ないけど俺は少なくとも現状では共鳴できない。社会を良くしたいと思う気持ちはあるけど、それは日本にとどまらないし、その意味ではナショナリズムは俺の個人の規範として社会から注入されていない。あるいは、俺が不勉強ってことも大いにあると思う。

ただ、ただ、でも、似た気持ちというか、根は同じものはあるよ。自分が与えられたものであり、与えられなかった他者がいて、それは、俺が護らなきゃいけない。ダウンサイズしたが、しかしこれは、俺の努力に応じて大きくしていける。そういう類のものだと思う。

損得を計算できることは重要だが、俺にそれを適用するな。過剰さを持て。俺のことに対して、損得の計算をするな。

小室さんは、バイトして、奨学金も受けて、その上で勉強してた。うむ。できるよ、努力次第で。

辛苦を舐めろ、そうして初めて高く清らかな境地に到達できると。そうですね、それは、あると思います。厳しく楽しくってな。

小室さんが私塾にいた時のスケジュールは、朝早く起きて、布団を畳み、掃除する。で顔を洗って、勉強する。そっから運動して、ご飯を食べて、大学に行く。これが朝だって。夏は朝6時、冬は6時半に起きろと。なるほど。そうしてみたいね。朝早く起きて、布団を畳んで顔を洗って勉強する。その後運動してご飯を食べる。で、大学へ。起きて顔を洗い、勉強する。で筋トレしてご飯。ここまでだな。

大雑把で失敗することの多い、小室さんに対する市村さんの評価の一つ。でこれは、やっぱ似てる人に惹かれるし、というかむしろ、似てる人がどう活躍したのか、ってのが一番の勉強材料になるよな。俺も小室さんも、何かを突き詰めて細かいところまで把握しよう、っていうタイプではなくて、むしろ、大きくみたときに重要なポイントは何か、大筋が間違っていないか、っていうことを見るタイプの人だよな。

小室さんって、俺と地元がめっちゃ同じ。言っていいのかこれ?いいのか?世田谷区だし、その下位分類というか、その下の区分まで同じ。その後に会津まで行くんだけれども。ああまじ?生まれたのが同じとこだった。それはそれは。

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