マガジンのカバー画像

短歌

45
「滄」同人季刊誌用短歌
運営しているクリエイター

2020年8月の記事一覧

犬をらば横たわりゐつ目を開けて我の動きをじと追つてをらん

花束を抱きて東名暴走すオートバイの群れ
誰(た)れを弔ふ

コンクリートの観音に手を合わす人帰宅途中の夜の八時に

弧を描き夜(よ)をせり上がるモノレール明るき車両に猫が乗りをり

昇る陽が彼方のビルを押し上げて立ち上がる気配未明の街に

魔除け木と立札にあるトベラの木公園清掃人は過ぎゆく

花博の後になんばのハンバーグ連れくれし叔父しとどの汗の

明確に今日の単語を刻みをりセリュライタスは蜂窩織炎 

同朋のFreeAgnesハッシュタグ「支配をしたくば我を倒さん」

雷鳴の去りたる後に雲の切れ暑き夕べが立ち上がりたり

傷つける兄を思ひて涙するさくらに涙す十九作め

・「寅さん」を入れるスペースがない。

米国の友の小さき「スキ」を見てこころ明るく車を駆りたり

キックボード駆りたる男の子(おのこ)に降り注ぐ閃光思ふ8月6日

四十雀の優しきことにつけ込みてハシボソキツツキ友の庭に来