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コメンテーターが空気を作る

Netflixの恋愛番組『脱出おひとり島』(ソロ地獄)という番組が好きだ。
もともと、恋愛系のバラエティが(見ることはあるものの)実は少し苦手なはずなのに、なぜだろう…と不思議に思って少し考えてみた。

「男のくせに」とか「女なのに」「だから結婚できないんだ…」と、枠にあてはめて個人を卑下することが「面白い」とされているような雰囲気が私はあまり好きではない。
そんな言葉を聞くたびに少し残念な気持ちになってしまう私は、恋愛番組を見ていると「お願いだから変なこと言わないで…」と少しヒヤヒヤしてしまう。

でも、この番組のコメンテーターたちは個人を否定することがなく、安心して見ていられる。
「ミステリアスな人だ」「幸せになってほしい」「相性がよさそうだよね」と、1人1人の個性を尊重し応援する姿勢がコメンテーターの会話から伝わってくる。
見ているこちらも、友人の恋愛を応援しているような温かい気持ちにさせてくれて、出演者一人一人が愛おしくなる、そんな番組だ。
コメンテーターという役割に目を向けたことは今まであまりなかったけれど、こんなにも番組の空気や印象を左右するのだなと少し驚いた。

昔、リーダーシップが成り立つのはフォロワーシップがあってこそだ、という話を聞いたことがある。新しいことを発信する人だけではなく、それに主体的に賛同し支援する2番目、3番目の追従者がいるからこそ影響力が増していくのだと。
何かを発信するとき、つい発信するものの中身ばかりを気にしてしまうけれど、それを最初に受け止め解釈する側の人の反応が後の受け取り手の反応を決めるのだと感じた。
一見脇役に見えるコメンテーターが番組の空気をつくっている、そんなことを感じられる番組だった。

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