イーサン・ハントは「動詞」だ。 #書かずにはいられない
「ねえ、ミッション・インポッシブル観てきたら?」
珍しく、妻がそう声をかけてきた。
「観てきたら?」ってことは、妻は行く気がないらしい。
毎日「観たい観たい」と呪文のように唱えることって大事なんだな、
という気づきを得る私。
「映画観てる間、私たちぐるぐる回ってるね」
・・・なるほど。イオンに連れてけってことか。
ここでやっと気がつくとは。加齢の影響が色濃く出ているぞ。
だが、こんな「公の許可」が出ることはそうそうない。
まして、トム・クルーズの魅力が最大限に引き出されている、
あのシリーズの最新作だ。
(しばらく家事を手伝う必要があるな)
そんな、感謝と卑屈さが融合したような思いを抱きながら、私は準備を始めた。
・・・結論から言おう。
今すぐ観た方がいい。
観たからといってあなたの人生が大きく変わることはないだろうが、大きく変わった「気がする」はずだ。
この映画、「デッド・レコニング」は3時間にわたる。
だが、本作品は「瞬間×97回」という表現がふさわしい。
めまぐるしいクライマックスを集積したら、3時間になっていただけだ。
まてよ。正確には「瞬間×197回」かもしれない。
いやいや、別にハラハラドキドキの瞬間を数えていたわけじゃないから、
「97回」でも「197回」でもないんだろう。「24回」くらいが現実的か。
すまない。かなり適当なことを言っている気がする。暑さのせいだ。
部屋の温度計に目をやると、湿度50%。
・・・おかしい。湿度は快適だ。何となく暑さを感じるんだが。
気温34℃。
すべてを了解した私は、「もう少し頑張ったらクーラーでも点けるかな」と思いながら、キーボードを叩き続けることにした。
大丈夫。ほぼ収穫のないこの文章は、あと5分程度カタカタすれば終わるはずだ。
この映画の見所は(この先、ネタバレがあります)
・・・すまない。
誰かが割り込んできたようだ。ネタバレなどない。
ネタバレしない理由。
それは、私がストーリーを忘れてしまったからだ。
暗い館内から一歩出て、明るい照明の下で観客のポップコーンの箱やジュースのカップを受け取るお兄さんの姿が目に入った瞬間、忘れてしまった。
「猫に小判」とは、このことか。
壮大かつメッセージ性の強い映画を3時間も観たのに、一瞬で記憶が消えてしまうとは。
もしかして、リピーターを増やすための策略ではないのか?
体感できないサブリミナル・メッセージがコマとコマの間に1枚/0.0001秒のペースで差し挟まれていたんじゃないか?
再度、部屋の温度計を見る。
34℃。変わっていない。
いや、暑さのせいにしようと考えても無駄だ。
「お前はいたずらに歳を取った」ということに過ぎない。
まてまて、加齢ってそんなに嫌なことばかりなのか?
今日わざわざ映画館まで足を運んだのは、
「ハッピー55(G.G)55歳以上の方は鑑賞料金1,100円!」
なるサービスがあったからだろ?
・・・すまない。確かに今、私は逃げを打とうとしていた。
ストーリーを忘れたのは、ほかでもない、私自身のせいだ。
気を取り直して、話を続けよう。
「あと5分程度で書き終わるからね」と言いながら、もう10分以上経っている。暑いと、生産性のないことでも「意味があるに違いない」と思い込んでしまうらしい。
改めて結論を言おう。
今すぐ観た方がいい。
理由はひとつ。
トム・クルーズ演じるイーサン・ハントのセリフだ。
イーサンが、誰に何を伝えるのか、
そこだけ気に留めておいてもらいたい。
イーサン・ハントの言葉は、価値を持ってしまった。
誰に向けられた、どんな言葉であっても、そこには普遍的な価値が感じられるようになってしまった。
そう感じてしまうのは、
①脚本が良かったから。
②トム・クルーズを神格化してるから。
③いやいや、お前が歳を取り、涙もろくなっただけだろ?
いろんな声が聞こえてきそうだが、正解は③番だ。
・・・とにかく、あなたが55歳未満なら、
今すぐ1,800円を握りしめて映画館にGOだ。
高校生なら時給900円のバイトを2時間やれば、
価値ある3時間が手に入る。
え、55歳以上?
ラッキーだ。あなたは「ハッピー55」(ネーミングセンスはないと断言する)を利用できる権利を有している。
税込み1,100円で、「55歳以上の一般人では決して味わえない世界」へダイブできるなんて、ハッピーきわまりない(しまった!前言を撤回する)。
ストーリーが頭に残るかどうかは、個体差が大きい。
とは言え、仮にあなたが明晰な頭脳の持ち主でも、ストーリーを忘れる可能性がある。
なぜなら、私と同様に、
すべての感情を根こそぎ持っていかれる可能性があるから。
「ミッション・インポッシブル デッドレコニング」
本作のテーマは「すべてを愛せ」(たぶん)。
イーサン・ハントは世界のすべてを愛そうとしている。
「君がほしいのは愛だろ?
知っているかな。Loveって、動詞なんだよ。
君は愛されたいって言うけど、
君自身、誰かを愛そうとしてみたのかな?」
自己啓発本によく載っていそうな、こんな陳腐な言い回しでも、
イーサンの言動を見ていると、信じてみようと思えてくる。
愛は「動詞」だ。
そして私がイーサンに魅了されるのは、
イーサン自身が「動詞」だからだ。
メイキング
ファイナル予告
https://www.youtube.com/watch?v=5lBhaMXw0tg
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思いつきと勢いだけで書いている私ですが、 あなたが読んでくれて、とっても嬉しいです!