見出し画像

いじめに対する考え方を変えよう #センセイを捨ててみる。

あなたが教師なら、次の質問にどう答えますか?

Q1:あなたの学校にいじめはあると思いますか?
Q2:いじめの有無をどのように判断しますか?
Q3:あなたの子どもが学校でいじめを受けたらどうしますか?


旭川・中2女子凍死 失踪3年

自殺未遂時「いじめなし」

市教委、市長にずさん報告

北海道旭川市で2021年、いじめを受けていた中2年Sさん=当時(14)が失踪後に凍死した問題で、Sさんが失踪前の19年6月に自殺未遂をしたことについて、市教育委員会が当時の市長に「学校でしっかり対応している。いじめはない」と報告していたことが11日、分かった。市教委の対応のずさんさが改めて浮き彫りになった。13日で失踪から3年となる。

2024年2月12日(月)付 新潟日報

中学生が自殺未遂をしました。
そして失踪、凍死しました。

中学生の生きる世界は、基本的に家庭と学校の2つしかありません。
精神疾患がなく、家庭でも心当たりがなければ、原因のありかを学校に求めるのは自然な流れです。


市教委の内部資料とN氏(当時の市長)によると、当時の教育長はN氏を訪ね「事実と全然違う」と非難。本人(Sさん)からの訴えがないことなどから「いじめとの判断に至っていない」などと説明した。

ここでは、「いじめは自己申告制」という判断が示されています。ですが、それは可能でしょうか?

自分がいじめられていることを打ち明ける。
これは、とても高いハードルです。大人への信頼感がなければできないことです。

(きっと何とかしてくれるだろう。)

問題解決への道筋が示されたり、加害者からの仕返しが抑制されたりする可能性を感じることができなければ、被害者は事実を口にできません。

また、心理的な思い込みもあります。
私自身、中学3年間ずっといじめを受けていましたが、親にも教師にも言えませんでした。事実を言葉にしたら、「私が壊れてしまう」と思ったからです。

「いじめを受ける人間には、それなりの落ち度がある。自分に人間的な欠陥があることを認めたくない」。今でははっきりと「それは違うよ」と言える、そんな誤った思い込みが、当時の私の中にありました。

被害者自身による訴えがなければいじめの認定はできない。

これは、非現実的な判断です。


またSさんがすでに転校しており「同種の事案は発生しない」とも述べた。

「同種の事案」とは、狭義では「加害者と被害者の関係性」を指すのでしょう。被害者が転校すれば、「同種の事案」は校内では起こりません。

しかし広義では、「いじめ」そのものを指します。加害者は別の被害者を標的にするかもしれない。そして被害者は、別の加害者の標的になるかもしれません。

最も気にかかる点は、日本では、いじめの被害者がその場から離れることを余儀なくされることです。

日本以外では、加害者を移動させることがスタンダードになっている国があります。住居を移すことのハードルが歴史的に、あるいは民族性として低い国であるという点も作用しているでしょうが、いずれにせよ、被害者に移動を促すことが容認されていないわけです。

被害者の転校を是としてはいけません。


N氏(当時の市長)は「市長が学校現場に口出しをしてはだめだという雰囲気が強かった。報告をうのみにし、結果的にいじめだと気づけなかったことは申し訳ない」と悔やんだ。

自治体の長と教育委員会の関係とは、どうあるべきでしょうか。上下関係、相互監視関係、フラットで意見を言い合える関係。さまざまでしょうが、法的な背景を取りざたする前に、致命的な事態を回避するための最善の関係性について意見を交わす必要があると思います。


では、最初の質問に戻ります。

Q1:あなたの学校にいじめはあると思いますか?
Q2:いじめの有無をどのように判断しますか?
Q3:あなたの子どもが学校でいじめを受けたらどうしますか?

私の答えです。

A1:人は2人以上集まれば、軽微であったとしても何らかの上下関係を作ります。これは動物の本能なので、否定するのは現実的ではありません。よってその意味で、いじめ予備状態はあると思います。

A2:状況証拠と物的証拠を重視します。状況とは、そこに至るまでの大きな流れであり、物的証拠は事実だからです。意図性は重視しません。「そんなつもりじゃなかった」の一言で済ませたら、被害者は浮かばれないからです。つまり、日常的な人間関係や雰囲気を重視する、ということです。被害者自らが被害を口にすることはないという前提で考えます。

A3:まず本人から話を聞きます。そのうえで、学校へ申し入れをします。私は教員なので、いじめに対して学校がどのような対応をするのかについて知悉しています。よって、補完的なプランを提案します。

仮に私の子どもが「転校したい」と言ったら、私はこう言います。

「あなたが転校することはないよ。加害者が転校するよう学校に働きかけるから、心配するな。」

私は、ダメな教員でしょうか?


〇NPO法人共育の杜メルマガ
【教師のキャリアは俯瞰力が9割】(毎週水曜配信)
1,000人以上の方が読んでいます。登録はこちら。

〇個人メルマガ
【X days left:退職まで、残りX日】(毎日配信)
100人以上の方が読んでいます。登録はこちら。

〇現役高校教師

〇心理学修士(学校心理学)

〇オン&オフラインセミナー講師

〇一般社団法人7つの習慣アカデミー協会主催
「7つの習慣®実践会ファシリテーター養成講座」修了

〇NPO法人日本交渉協会認定「交渉アナリスト」1級
https://nego.jp/interview/karasawa/

〇メール
sakidori.sensei@gmail.com

〇協会ページ
https://t-c-m.my.canva.site/

〇ブログサイト
https://sensei.click/

〇ポッドキャスト(Spotify)
https://open.spotify.com/show/2pCy8yUiGRk3jKoVJo72VF

〇note
https://note.com/harukara1968

〇FBコミュニティ
https://www.facebook.com/groups/unlearnteachers

〇udemy
https://www.udemy.com/course/kqfpehod/

〇Amazon Kindle
https://www.amazon.co.jp/%25E3%2582%25BB%25E3%2583%25B3%25E3%2582%25BB%25E3%2582%25A4%25E3%2581%25AE%25E3%2582%25AD%25E3%2583%25A3%25E3%2583%25AA%25E3%2582%25A2%25E3%2582%2592%25E6%259C%25AC%25E6%25B0%2597%25E3%2581%25A7%25E8%2580%2583%25E3%2581%2588%25E3%2582%258B%25E5%258D%2594%25E4%25BC%259A/e/B0BPPDYHYD%3Fref=dbs_a_mng_rwt_scns_share








思いつきと勢いだけで書いている私ですが、 あなたが読んでくれて、とっても嬉しいです!