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彼我の違い #ライフにマストなワードをマンガで

『アルキメデスの大戦』(三田紀房)という、太平洋戦争を扱ったマンガがあります。

この漫画の主人公、櫂直(かい ただし)は太平洋戦争における日米開戦を阻止するために、天才的な頭脳と冷静な判断力、そして圧倒的な行動力を駆使して軍部に働きかけます。

日米開戦の実現を阻む。
開戦したら、短期決戦によって勝利し、早期停戦を目論む。
勝てないことがわかったら、いかに負けるかを考える。

すべて、国民の血を流さないためです。


たった一人の若き文人が、日米開戦を阻むため、懸命に努力を重ねる。
史実とフィクションを織り交ぜながら、物語は進んでいきます。

本作品は、読者に対して太平洋戦争をかみ砕いて説明してくれますが、随所に出てくるのは「彼我の違い」です。


アメリカと日本の違いは、両国のトップから発せられる言葉から推察できます。(以下、すべて『アルキメデスの大戦』36巻から引用)

ついには嶋田と平山の鼻を明かしてやった
実に痛快だった

まあよろしく頼む
山本もへそを曲げると後が面倒なんだ
それなりに体裁を整えて あいつの顔を立ててやってくれ

軍令部総長 永野修身 海軍大将

作戦の指導権は我々海軍大学校で学んだ軍令部がその任に当たる
連合艦隊は黙って従って戦えばよい
組織の決定には筋道と手続きが必要
それを踏まえながら粛々と進められてこそ秩序が保たれる

だいたい軍令部を何だと思ってる
頭越しに提案するなど気に入らない
軍令部をないがしろにする行為で許せません

軍令部第一部第一課 神岡重義 海軍大佐

日本の意思決定は、「人間関係」と「序列」を最重視します。
その結果、個人の感情や面子が優先され、作戦の不履行や失敗につながっています。


そんな日本人のあり方に警鐘を鳴らすように、さまざまな人物の口を通して、随所に「日本的思考」への批判がなされます。

良識ある者は危険を感じている
しかし表立っては言えない

力の強い者、声の大きい者が幅を利かせ
攻めの姿勢に水を差す意見を言えない
まわりに腰抜けと思われたくない
上役に消極的で弱気と叱責されたくない
自分の評価を下げたくない

みな周りの顔色を窺う
空気を読む
最終的にまわりと同調する

必死に生き残りを図り 保身に走る

軍令部第一部第一課 今泉祐介 海軍少佐

戦後80年近く経過した現在であっても、自覚と内省を促すこの手の言説に触れないことはありません。事実ですから、抗えない。


日本は、雰囲気で物事を推し進めます。
状況によってプランを変えようとしない。
勢いと精神論と神仏の加護に基づいて、根拠なく勝利を盲信する。

一方で、アメリカは「データ」と「論理」を最重視し、不要なルールや考え方をすべて後回しにします。さらに、「日本に勝った後、どのように日本を統治するのが自国の長期的な利益につながるのか」という視点で考えていました。

私が今求めているものは結果だ
この戦争で勝つことだ

国の危機に序列など関係ない
軍の規定や慣例などくそくらえだ

非常時に体裁や面子にこだわる奴は即刻クビだ
常識に縛られている者はいらん

フランクリン・ルーズベルト アメリカ合衆国第32代大統領

我々は勘や思い込みで戦うことはしない
個人的感覚は極力排除する

我々の行動の基盤は論理と効率だ
すべてにおいて数学的統計的モデルを用いて最効率化を図れ
知見に基づき合理的判断を下し行動せよ
情報こそが意思決定の根底の要素である

最大限日本側の情報収集に努めよ
暗号の解読に全力を挙げよ

必要な人員と資材の予算はすべて通す
情報収集のための資源は惜しみなく投入する

情報戦で日本を圧倒し戦に必ず勝利する

新太平洋艦隊司令長官チェスター・ウィリアム・ニミッツ・シニア 海軍大将

アメリカを礼賛しているわけではありません。
戦争の勝ち方を論じているわけでもありません。

そうではなく、彼我の違いを通じて、”生き方”を考えたいと思っています。

目的は何か?
勝つためのプランは何か?
何を優先し、何を捨てるか?
躊躇なくプランを変更できるか?
目的達成後の状況を、どのようにコントロールするか?

そのように考え、行動することは、
命に限りある私たちにとって、時間とともに生きる私たちにとって、
大切な意味を持つんじゃないでしょうか。


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思いつきと勢いだけで書いている私ですが、 あなたが読んでくれて、とっても嬉しいです!