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玉山拓郎くんについて

「一枚の絵の力」お題をつけたものの、いまや一枚の絵って、あえていわないよなという気もある。もちろん、この一枚を出してもらえないかな?と頼む場合もある。でも、「一枚の絵の力」っていう展示に何をだすか?大喜利みたいな時もある。
玉山くんの場合は後者。玉山くんは主に空間インスタレーションをつくるけれど、空間全体に360度色をおいたり筆跡をつけたり、色面や光を配置していき、でもどこからでもある種「絵」がみえて、玉山くんだったら「一枚の絵の力」に何をだすのかな?と思った。

▼玉山くんについてはBTのインタビューがとてもよくまとまってる。
https://bijutsutecho.com/magazine/interview/21036
玉山くんの「小屋をひっくり返した」ことによる「次元の拡張」の話はおもしろい!赤瀬川原平は「宇宙の缶詰」により宇宙をとじこめたけど、玉山くんは宇宙を解放したと思う!!

今回出してくれた作品は、櫛とコンクリートだけども、私には、かつての解剖台のミシンと傘の偶然の出会いのように、えもいえぬ存在感が魅力を発してる。

comb_0012aのコピー

Name: 玉山拓郎 Takuro Tamayama
Title: Comb (0012)
Size:H29 x W15.5 x D7 cm
Material: Comb, concrete with pigment
Date: 2020

普段から収集しているビンテージのクシとコンクリートのインスタントでミニマルなフォーマリズム的彫刻。ここに在る、よりは、ここに居る、が合うような存在感が気に入って作り続けている。

玉山 拓郎 Takuro Tamayama
1990年岐阜県生まれ。愛知県立芸術大学卒業後、2015年に東京藝術大学大学院修了。鮮やかな色彩の日用品や照明、映像を用いたインスタレーションを制作。ブラシ、モップ、皿、ソファなど多岐にわたるファウンド・オブジェクトと、独自のペインティングや映像の色調、モノの律動、音響を組み合わせることによって、緻密なコンポジションを持った空間を表現している。
https://oil.bijutsutecho.com/works/751/1100002683

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(展示風景は天王洲での平田尚也くんとの二人展「I FEEL FOR YOU」より)

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