「展示力合宿inかなざわ」態度が形にならないとき、と誰かが書いた
3つの会場で起こったことを今、全て書こうとするとギリギリで保っている自分の形を保てなくなってしまう。だから僕は4日目でnoteを更新することが出来なくなった。みんなも多分そうなんだと思う。みんな、お互いに大丈夫?って聞いたあとに、大丈夫じゃないよねって言い合って保ってた。だれも大丈夫じゃない、でも今この瞬間大丈夫、それを繋いで生きている。
だから芸術村にはみんなのたくさんの断片が貼られていて、転がっている。
標準語で、テキストで、作品で、どう示そうとしても違う形になってしまうそれぞれの態度。それでもそのカケラでも残したいというそれぞれの気持ち。
たくさんの断片が点在している。
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黒いガムテープに"態度がかたちにならないとき、"と誰かが書いた。
小さなハンドアウトが置いてある。
潰れたドーナツ。
あなたに渡した3枚の蛍光色。
優しくなりたいとあなたが言っていたこと。
ほんとに小さな文字で泣きそうになる、と書いてある。
裏側にひっそりとあった、あなたの名刺の隣に僕の名刺を貼った。
大きなものを小さくすること、と書いてある。
役割が違うだけで二人とも同じだった。
あなたのことを考えながら、あなたが語らなかったあなたについて語った。
アートグミのオブジェクトになってしまったものたちと、なにも照らしていない空間、なにも置いてない空間。むしろすべてがそのままでなくてよかったかもしれない。いまは空いていることがなにかを示してくれているのかもしれない。
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いっときも忘れたくない、大切な、大切な、27人目の彼。
「まだ金庫のある部屋にいる / 今は彼の家にいる」
という、ウェブでは公開できないテキストを書いた。ウェブでなくても全文は見せられないから切り取って、芸術村PIT5に、すこしだけ、見ようとする人だけ見れる場所に書いておいた。
芸術村PIT5には、今、偶然か当然か27個の椅子が出ている。27個の椅子がある。今は、役割も、距離も、立場も、必要ない。
どう示しても形にならない態度。だれも大丈夫じゃないけど、今この瞬間大丈夫、それを繋いで生きている。
もし大丈夫じゃなくなってしまう瞬間が来たら、あなたは僕の家にいつでも入っていい、僕もあなたの家に行く。
(23.11.8 青木遼)
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