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エッセイ的な

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僕が日々何をしているのか、何を考えて過ごしているのか、まるで小説を書くような文体で書いてみようと思います。興味あるかわからないけれど。
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#秋

389.今朝、東京の朝に冬を感じた

今朝、外に出たとき。 日に日に僅かに下がる気温の中、昨日と今日の変化を感じた。 冬の匂いがする。 季節によって、匂いは違う。 自分はその違いを結構敏感に感じるほうだと思っているけれど、とうとう今日、今シーズン初の冬を感じ取ることができた。 匂いは記憶と強く結びついているそうで、その瞬間、いろんな情景が一度に脳裏をよぎる。 冬の到来は、寒さが厳しくなり始める予兆。 そして、クリスマス、年末年始と続く。 その世間の慌ただしさが頭に張り付く朝で、同時に僕は焦りを覚えた。

374.春と錯覚する秋の一瞬

自転車で朝のビジネス街を走る。 神谷町を抜け、虎ノ門を過ぎ、赤坂へたどり着く。 有数のビジネス街の朝は、スーツを着た人でごった返している。 風が涼しくて、自転車を漕ぐのが気持ちよかった。 秋だなという思いが溢れ、一方で日差しを受けると一瞬夏の感触がよぎって、まだその名残を肌で感じる。 その瞬間に、春だ、と不意に思うことがある。 四月ぐらいの、まだ暑くなる前ぐらいの季節感。 秋の始まりはたまに、春を感じさせる。 空気には匂いと感触があって、それで季節を無意識下で判