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運動会のダンスと息子の選択

9月中旬、息子の幼稚園でも運動会の練習が始まった。

息子は去年10月、引っ越しのため転園していて、それが運動会の時期と重なったので、彼にとっては今年が初めての運動会だ。
かけっこ、玉入れ、体操など恒例の演目。
その中で、年中は2つのグループに分かれてのダンスがあるらしい。
どちらのグループに入りたいか選ぶのは本人の自由。
そして振り付けも自分たちでするという。

そのグループとは “かっこいいダンス組” と “かわいいダンス組”。
息子は “かわいいダンス組”  を選んだ。

そのことについて、今日は書こうと思う。

思えば、約5年前、息子が生まれて育児というものが始まってから、私には数々の不安や心配事が生まれた。
それは「私の育児はうまくいっているんだろうか」という漠然としたものから、
「母乳が足りているのか」とか「乳児湿疹がひどくてどうしよう」など具体的なものまで。
年齢が上がると「カ行がまだ発音できない」など。

しかし、その中で、私がいつも感じている1番大きな心配事は
「私はこの子の持っているもの(個性や可能性みたいなもの)を潰していないだろうか」ということだった。
私の日々の行動、発言、態度、選ぶもの、、、
この子の持って生まれたものを大切にしたい、でも果たしてそれが出来ているのか、自信がない。

子どもからしたら、親のそんな小さな選択やらで、自分の個性は潰されませんよ~って感じなのだと思うが、
私の反応が、私の選んだものが、この子の持って生まれたものをサポートできてる?
そんな不安を、度々、いろんな場面で感じてきた。

そして今回やってきた初めての運動会と息子の選択。
息子の話を聞いた時、私はとりあえず「そうなんだ〜!」と無難に反応したと思う。しかし、正直なところ少しドキドキしてしまった。そうか、そうきたか!と思って本番を想像した。

かわいいダンス組を選び、女の子の中に混じって踊る自分の息子の姿。
そして、またあの問いがモヤモヤと浮かんできた。「私、この子の持って生まれたものを応援できてる?そんな反応ができてる?」

その後、息子はぽつぽつとダンスについて話し始める。
聞くところによると、
息子は「どうしてかわいい組なのか」と先生に聞かれ、
「かわいいものが好きだから」とはっきり答えたらしい。曲も気に入っている。
本人はやる気に溢れ、すごく楽しそうだ。

息子の話す姿を見ていると、私の中でさっき感じていたモヤモヤがスーッと消えていく。
集団の中で、自分の好きをちゃんと表明できるその意思の強さに感動。「あっぱれ、我が息子!!」
私は「とても楽しみだね。ママもダンス見るのとっても楽しみにしているね」と答えた。
そして「私、この子の選択を心から応援できる」
そう思った。

初めから、男の子女の子と分けずに、息子の選択を尊重してくれる大人が息子の側にいること、広がりを潰さない環境、先生のサポートにも感謝している。


私の大好きな保育者、柴田愛子先生の著書の中に「子どもをどう育てるかではなくて、子どもがどう育とうとしているかを知りたい」という言葉がある。

この言葉は、子自身の育とうとする力、行こうとする方向、それを大事にするということが親である私にできることなのだな、と思い出させてくれる。
新芽が光のある方向へ伸びていくように、その光を一緒に探したり、光を見つけたら心から応援したり、伸びていくための水や養分を補給したり。

どう育とうとしているかを観察し、受け止めていく。

その連続で、私の中にいつもある大きな問い、不安は少しずつ、年月をかけて小さくなっていくのではないだろうか。

これからもこの問いは度々、ひょっこりと顔を出すだろう。
その時には、運動会のことを話す息子の姿や、その姿を誇らしいと思った自分の気持ちを思い出したいと思う。

息子の運動会まであと半月、
その姿を想像して、今、ワクワクしている。








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