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クサノオウ

 名前がすごいでしょ。草の王、なんて。
 札幌に住んでいたころ、山野草好きの友だちから、この名前を教わりました。

 札幌にいたころ、山に遊び、この、あえやかな感じが気に入って、根を堀取って庭に植えました。黄色い花が好きだったのかも。

 遊びに来た彼女に、庭を案内、植えたんだと話したら、
「クサノオウを植える人がいるなんて。初めて見た!」

クサノオウ

といいました。
 ガッチリと根付いて、大変なのだそうです。
 幸い、我が家は豊かな土地ではなく、そこそこに彩ってくれた、なつかしい花。それがそれが再開の春。関東でも咲いているんです。
 川っプチで出会ったクサノオウのこの逞しさ。そしてわが目からは相変わらずのたおやかさです。

 クサノオウと呼ばれるのは、何でも効く薬草だからと、彼女から聞きました。魔女になりたかった薬草好きはそこでまたプラス1。
 でももう、庭には植えません。

 クサノオウは、ケシ科クサノオウ属の越年草だそうです。茎などを切ると黄色の汁が出るから「草の」、薬草として優れているから「草の王」、皮膚病に効くから「の王」などといわれ、定説はないそうです。
 庭でかぶれたのは、この草のせいだったのでしょうか。
 薬効よりも、毒性が強く、素人が使うのは危険、とリフレイン、だからクサノオウなのかなぁと思いました。人が近づくべきじゃない。

 白い毛で覆われた草全体がやわらかく、いかにも食べられそうにも見えるが、全草に約21種のアルカロイド成分を含み、その多くが人にとって毒性が強い有毒植物である[9]。本種を特徴づける黄色い乳汁などはその最たるものであるが、古くから薬用に供されており毒性が知れわたっていたからか、誤食による中毒事故は少ない。乳汁が皮膚に触れると炎症を起こす場合があり、誤食すると胃腸がただれ、昏睡、呼吸麻痺、感覚末梢神経麻痺などを起こす可能性がある[9][12]。動物実験では嘔吐のデータがある[12]。

Wikipedia

 この逞しさ、そして秘めた毒。
 物語が書けそうです。

クサノオウ

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